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【auコマース&ライフの八津川社長に聞く Wowma!の今後の戦略とは㊥】 「店舗スコアで“良い店”優遇」、auショップ経由で“初心者流入”

2019年 5月23日 13:30

 前号に続き、auコマース&ライフの八津川博史社長(=写真)に今後の戦略などを聞いた。

 ――ルクサではワウマとは違う商材も扱う。

 「ルクサでは『コト系』商材が力強く伸びているので、物販以外の領域やエンターテイメントも含めて、会社としてもワウマとしても担っていきたい。『暮らしのカタチをつくる』をミッションとして掲げ、無機質なサービスではなく、顧客の心に届くような仕事をする。一方、店舗のメリットはワウマと、ルクサの運営するコマースサービスである『auウォレットマーケット』に分散していたものが、1社に統合されることだろう。顧客からは「分かりにくい」という声があったし、会社が別のため意思決定もしづらい面があった。一本化で店舗にとって非常に商売しやすい形になったのではないか」

 「一方、『サービスルクサ』はターゲットがラグジュアリーな層であり、売り方がフラッシュセール中心、さらに商材はコト系が多いので、今まで通り育てていく。いずれは連携したいと思っているが、ワウマとあまりにも違うサービスなので、セグメントごとにうまく紹介していくような形を考えている」

 ――auユーザーへのワウマの浸透も進みそう。

 「コマースはau経済圏における出口戦略だが、ワウマを使い続けてもらうためには、データや金融との連携を強めなければいけない。事業戦略としては『auベストコマース』を宣言している。コマース領域については全部当社が担い、ユーザーベースを拡大するという意味だ。auユーザーにおけるワウマ利用率にはまだまだ伸びしろがあると思っているので、一本化したことをテコに加速していく。もう一つの軸が『エンゲージメント強化』。ユーザーとのタッチポイントを増やし、関係を強める」

 ――具体的には。

 「auショップでの入会促進を昨年12月から始めたが、全店舗の店頭で新規・機種変更ユーザーにワウマ会員になってもらっているし、ワウマで商品を購入する手前まで、手順を示すようにしている。入会するユーザーは、ネット販売初心者が多く、さらには一度購入してもらえれば、リピート率は高めという数字も出ている。さらに、ネット販売に慣れしていない顧客にワウマの『良い店』で買い物してもらいたいと思い、優遇するための『店舗スコア』を導入する」

 ――どういったものなのか。

 「基本要素としては店舗レビューや納期遅延率、店舗都合によるキャンセル率、クレーム数などがあり、レビューは良い方が、残りは少ない方が高くなる。10点満点で、点数はワウマネージャーから確認できる。今年7月以降はこのスコアを検索結果に適応させる。また、さまざまなキャンペーンに優先的に参加できたり、当社から支援したり、こういったものにも店舗スコアを反映させる」

 ――エンゲージメント関連では。

 「3月28日、ワウマアプリに『タイムライン機能』を設けた。店舗からの評価は高く、利用度も上がってきている。店舗・商品がユーザーのお気に入りに登録された店舗が、セール情報などフリーメッセージでアプローチできるという機能だ。『興味はあるがまだ商品を買っていない』という層にアプローチできるようにすることで、購入率を増やすのが狙い。店舗としてはタイムラインできっちり『追客』できるので、エンゲージメント強化につながるのではないか。『クーポンを発行します』とか『値引きします』などという無機質なアプローチだけではなく、フリーメッセージで『おもてなし』できる流れを実現したい」

 ――これまで、お気に入りに追加したことは店舗に伝わっていたのか。

 「今までは分からなかったので、対象者へのトライアンドエラーが可能となった。現在、流通のうち半分程度がアプリで、ワウマを使い続けている濃いユーザーがアプリ利用者ということから、アプリ中央部にタイムライン機能を設けた。また、今後は『シナリオ配信』ができるようにしたり、セグメント接客の機能を導入したり、動画やハッシュタグによる投稿を可能にすることで、SNSのようなコミュニケーション機能を強化していく」(つづく)


 
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