スクロール 化粧品とネット販売に集中、販促費減らし利益確保へ
スクロールは、健康食品と化粧品を販売する「健粧品事業」の事業モデルを転換する。前期は化粧品のプロモーションをテレビなどで積極的に展開したものの、思うように売り上げが伸ばせなかった。2020年3月期は販促費を減らし、ネット販売に特化。顧客基盤の構築を進めることで黒字転換を見込む。
健粧品事業においては、ナチュラピュリファイ研究所の「24hコスメ」は欅坂46の平手友梨奈さんを、T&Mの「TV&MOVIE」は女優の中谷美紀さんをブランドミューズに起用し、ブランド認知・浸透に向けたプロモーションを展開したものの、成果が上がらなかった。同事業の19年3月期売上高は、前期比7・7%減の45億8100万円、セグメント損失は6億3100万円の赤字(前期は7億9200万円の赤字)と低調だった。
堀田守会長は19年3月期の同事業について「販促費を投入したものの、顧客増や受注増につながらず、大きな損失を出してしまった」とざんげ。今期は大規模なプロモーションを取りやめ、利益確保に向けた事業基盤の整備を行う。
まず、4月1日付でナチュラピュリファイ研究所をT&Mに吸収合併し、T&Mをナチュラピュリファイ研究所に商号変更した。堀田会長は、同事業の今後の方針について「損益分岐点を維持しながら販促を展開することで、黒字に転換する」と説明。顧客基盤の構築とネットに特化した販売に集中する。
個人向け通販となるeコマース事業では、6月1日付でブランド化粧品販売のイノベートをブランド品販売のAXESに吸収合併する。仮想モールで認知度の高い店舗を出店する両社だが、好調に推移するAXESに対し、イノベートは苦戦している。
堀田会長は「直輸入した商材を安く販売する両社は同じビジネスモデルだが、扱う商材の価格が異なっており、イノベートの単価は非常に安い。物流費用が増加した分を吸収しにくく、業績が悪化している」と話す。イノベートをAXESに合併、事業を縮小することで、収益確保につなげる狙い。
生協事業を中心とした「通販事業」では今期、「ソリューションベンダービジネス」を展開する。これは、グループの商品やノウハウを活用し、地域の生協(単協)ごとのニーズにマッチした商品やサービスの提供を行うというもの。堀田会長は「これまでは当社のプライベートブランド(PB)が掲載された同じカタログを全国展開してきたが、今後は全国区から地方区に変える。各単協の要望に対応しながら、カタログと商品を提供していきたい。扱う商品は当社のPBに限っておらず、これまでと違うビジネスモデルで生協にアプローチすることで売り上げを伸ばしたい」と述べた。
なお、19年3月期の連結業績は、売上高が前期比14・4%増の711億5300万円、営業利益は同30・2%増の16億9700万円、経常利益は同2・9%減の14億1500万円、当期損益は6億3100万円の黒字(前期は10億3500万円の赤字)だった。新規子会社化による純増と既存事業の拡大で増収となったほか、通販事業における売り場効率の改善とeコマース事業、ソリューション事業の増収による粗利増で事業全体でも増益となった。一方、経常利益は主に海外事業における持ち分法投資損失が発生したことで減益に。当期損益は、旅行事業でのれんの減損処理を行ったものの、18年3月期の化粧品子会社における減損損失の影響がなくなったことで、黒字に転換した。
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堀田会長は「直輸入した商材を安く販売する両社は同じビジネスモデルだが、扱う商材の価格が異なっており、イノベートの単価は非常に安い。物流費用が増加した分を吸収しにくく、業績が悪化している」と話す。イノベートをAXESに合併、事業を縮小することで、収益確保につなげる狙い。
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なお、19年3月期の連結業績は、売上高が前期比14・4%増の711億5300万円、営業利益は同30・2%増の16億9700万円、経常利益は同2・9%減の14億1500万円、当期損益は6億3100万円の黒字(前期は10億3500万円の赤字)だった。新規子会社化による純増と既存事業の拡大で増収となったほか、通販事業における売り場効率の改善とeコマース事業、ソリューション事業の増収による粗利増で事業全体でも増益となった。一方、経常利益は主に海外事業における持ち分法投資損失が発生したことで減益に。当期損益は、旅行事業でのれんの減損処理を行ったものの、18年3月期の化粧品子会社における減損損失の影響がなくなったことで、黒字に転換した。