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好調ネット販売企業の研究24「スワロースポーツ」 品揃え武器に拡大、在庫管理システム導入

2010年 7月 1日 19:19

041.jpg ネット販売の利点の一つとして、売り場面積に制約のある実店舗では扱いづらい商品でも販売できる、というものがある。ただ、どのショップも条件は同じだけに、裏を返せば品揃えでは差別化するのは難しいということ。専門性を発揮した品揃えや商品の見せ方がいかにできるかがカギとなってくる。

 野球用品を専門に販売するスワロースポーツは品揃えを武器に売り上げを伸ばしている。「野球関連の商品ならすべて取り扱う」(ウェブスタッフの門野豊氏)という意気込みで商材を拡大。現在は約2万2000アイテムを販売している。

  ミズノやSSKといった有名メーカー以外も網羅しているのが特徴で、子供に用具を買い与える親といった初心者から、高校野球や草野球など日常的に野球を楽しむ人たちまで、顧客層は幅広い。  

 2010年8月期のネット販売売上高は、前期比約16%増の2億4400万円前後となる見込みだ。「最近まで顧客管理も行っていないなど、アナログ的な運営をしていた」(同)が、新たな通販システムを導入。アイテム数が1年前の8000前後から飛躍的に伸び、売り上げ増につながっている。

  門野氏は「顧客とコンタクトを取るための間口が広いのが強み」と話す。同社の場合、中高生の硬式野球用品、社会人を中心した軟式の草野球の用品、そして野球のユニフォームが3本柱。かつてはフラッグシップモデルを中心に取り扱い、顧客もメーカーで指名買いするようなコアな層がメーンだった。しかし、最近は取扱商品も増加し、「息子が野球部に入ったので、グラブが必要になった」というような初心者のニーズも取り込めるようになったという。

  同社がネット販売を開始したのは、1996年のこと。当時はスポーツ用品全般を扱っていたが、本格的に力を入れ始めた01年以降は野球に特化、売り上げを伸ばしている。これまでコンピューターによる在庫管理を行っておらず、「効率が非常に悪く、納期遅れなどでトラブルとなるケースもあった」(門野氏)という。今後は夏にも在庫管理システムを導入する予定だ。

  同社は自社サイトのほか、楽天市場やヤフー!ショッピングにも出店しているが、仮想モールではプロモーションをほとんど行ってこなかった。在庫管理システムや物流代行の導入により効率化を進め、こうしたプロモーションやサービス面にもリソースを投入したいという。

  現在、顧客が商品をより選びやすいサイトにするため、取扱商品のジャンル分けの細分化を進めている。門野氏は「商品数もさらに増やし、野球用品では他を寄せ付けない存在になりたい」(同)と意欲的に話す。
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