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千趣会 官民ファンドから70億円調達、ECやブライダル等に投資、JFRの持分法適用外に

2018年 3月 1日 10:16

 千趣会は2月26日開催の取締役会で、REVICパートナーズが管理運営する官民ファンド「地域中核企業活性化投資事業有限責任組合」を割当先とした第三者割当により、25億円のA種優先株式(償還型)および45億円のB種優先株式(転換型)を発行することを決めた。千趣会はJフロントリテイリング(JFR)の持分法適用関連会社から外れることになる。

 千趣会は2015年4月にJFRと資本業務提携を締結。同社が千趣会の発行済み株式の22%超を取得して持分法適用関連会社化していたが、千趣会は衣料品を中心とした業績不振の影響もあって17年12月期に110億円の当期純損失を計上し、純資産が目減りして財務の安定化を図る必要があった。また、19年12月期を最終年度とした3カ年の新中期経営計画の目標達成に向けても多額の資金が必要で、銀行からの借り付けによる有利子負債を抑制するためにも官民ファンドの支援を仰ぐ形となったようだ。

 JFR側も千趣会が新中計を確実に実行するには株主としての影響力を軽減し、千趣会のパートナーを割当先に一本化することが望ましいとして賛同した。

 払込期日である3月30日以降、JFRの持分法適用会社から外れるが、両社は千趣会の婦人服ブランド「ケイカラット」や婦人靴の「べネビス」などを共同ブランド化し、一定の成果を上げていることから、こうした分野での協業は継続するとしている。

 新たに調達する総額70億円の資金については、ベルメゾン事業が目指す専門店化構想の実現に向けて複数専門店のECを同じシステムで運営するプラットフォームの構築や、顧客応答や受注予測などへのAI導入による販売効率の改善、紙媒体以外の受注拡大に向けたスマホサイトやアプリの充実などに35億円を投じる。通販以外ではブライダル事業や子育て支援事業などの女性関連事業の拡大や、M&Aなどに32億2500万円円を投資する計画だ。

 千趣会の新中計では、ベルメゾン事業の今期は引き続き売り上げ規模を追わず、徹底的なコストダウンで赤字体質の脱却に注力した上で、総合通販から専門店の集積型への転換を目指すとともに、ブライダルや子育て支援などの「コト売り事業」と、通販の「モノ売り事業」との相互送客や共同商品開発といったシナジーを追求する方針だ。

 なお、今回の第三者割当増資に伴い、割当先が指名する社外取締役と社外監査役が1人ずつ選任されることになるという。

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