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「南部社長は『自分たちは悪くない。委託先が作ったものをまるっきり信用していた。全然知らなくて驚いている』と、しきりに語っていた」。説明会に参加した取引業者の一人は、その時の様子をこう説明する。
さらに、「『関東に本拠を置く大手化粧品会社○○に密告された。おれは絶対許さない』といったニュアンスの言葉も口にしていた」という。
調査過程で農水省が情報提供元について明かすことは有り得ない。農水省では、違反商品の委託先が多岐に渡ることから約半年の調査期間をかけて各事業者の聴取を行い、「委託先は言われるまま作っただけ」と判断。アスカを表示責任者と認定している。
にもかかわらず、仮にこのような説明がなされたとすれば、南部社長が顧客と向き合う姿勢は偽りであることになる。違反の事実を真摯に受け止めず、責任転嫁していることになるからだ。
これについてアスカでは、「事実かどうか確認できない。受け取り方の違いから生まれた誤解では」とする。だが農水省の調査過程でも、責任転嫁を繰り返すアスカの体質は垣間見えてくる。
農水省では昨年8月、110番に寄せられた情報を元に、調査を開始した。その時点ですでに"オーガニック"を商品名に使うなど明らかな違反が見られたため、これを指摘。この際対応した担当者は、表示の改善を約束したという。
だが、9月に改めて調査に入った際、改めて驚かされることになる。当該月に発売した新商品でまたしても違反表示がみられたからだ。
調査に入った担当官は、「普通の会社は、違反事例があれば情報共有して別の商品でも注意するのが当たり前でしょ。にもかかわらず、性懲りもなくまたやっていた」と呆れる。しかも、新商品について再度改善を口頭指導すると、「『顧客の不利益となるため受注のあった商品は販売しなければならない。新しい表示の商品ができるまで売り続ける』と抗弁した」というのだ。結果的に違反と知りながら販売を続けていた"確信犯"ということになる。
説明会における南部社長の言葉が真実か否か、真相は藪の中だ。だか、取引事業者や行政サイドの話から浮かび上がる企業体質が真実であるとすれば、過去から現在に至るアスカの事業展開の手法の中に、真実を探る糸口が見えてくるはずだ。(つづく)