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雑誌のコンセプトは"もっと素敵な装い提案"で、帯合わせや小物などの組み合わせで広がる装いのアイデアやコツを発信する"きもの総合ファッション誌"として展開。40~50代女性を中心に30~60代まで幅広い読者層を持つ。
着物市場はピーク時から半減しているものの5年ほど前に底を打ち、最近ではイベント要素やSNS映えもあって着物に興味を示す若年層や外国人が増えているほか、グローバル化で着物の良さを再認識して着用する女性も増えているようだ。
同社はこれまでも衣装箱や帯などで「きものSalon」独自の商品を開発し、通販チャネルで販売するケースもあった。その際、雑誌は読者、使い手の声を作り手に伝える役割を果たし、従来にない商品を開発することで、売り上げ面でも一定の成果を得てきた。
今回、通販サイトを開設するのに当たっては、"素敵な和で豊かな明日を"をコンセプトとし、カテゴリーを和雑貨や菓子類まで広げて消費者との接点を増やすとともに、"通販視点"ではなく、まずは雑誌編集部が本当にお薦めする商品を厳選。これまで誌面にも登場した商品や、編集長が愛用する着付用のヘラやシークレット足袋といった便利グッズもそろえた。
また、茶会用の数寄屋袋をポーチサイズにした商品も新たに開発。着物を着ない人でも和の良品を上手に生活に取り入れることを提案する。
スタート時の品ぞろえは約70アイテムで、価格帯は1000円台から40万円台まで幅広い。商品は随時更新して品ぞろえを充実させる。
集客面では、8月19日発刊の「きものSalon」秋冬号に8ページのとじ込みで通販サイト開設の告知と通販ページを設け、別注の帯や雑貨、菓子類などを幅広く提案している。
同社は実店舗を持たないが、「きものSalon」創刊から36年にわたって培ってきた信用力を強みにEC展開を行う。当面は月間5万人のユニークユーザーの来訪とコンバージョン率2%を目標にする。
そのためにも、雑誌や通販チャネルを活用した定期的な告知に加え、通販視点での品ぞろえにも着手して購入率の向上を図る考えだが、「『きものSalon』のテイストや質は大事にしていく」(古谷尚子家庭画報編集部部長きものSalon編集長)とする。また、将来的には海外展開やインバウンド需要の取り込みも視野に入れる。