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ジュピターショップチャンネル 2つ目の通販チャンネル始動へ、将来は30~40代女性向けチャンネルに

2017年 3月16日 10:02

 2-1.jpg通販専門放送を行うジュピターショップチャンネル(JSC)は4月1日から、新たに通販専門チャンネルの放送を始める。毎日1時間は独自番組を放送し、他の時間は既存チャンネルの生放送を1時間遅れで再放送する。異なる商品を紹介する2つのチャンネルを展開することで既存顧客の接触機会を増やし購入頻度アップを狙う。さらに体制が整ってきた段階で新チャンネル内での再放送比率を下げ、徐々に独自番組の放送を増やしていく意向。中長期的には新チャンネルは既存チャンネルとは完全に別の30~40代女性をターゲットとした通販専門チャンネルとして展開していきたい考えだ。

 JSCが4月にスタートする新たな通販専門チャンネル「ショップチャンネル プラス」は同社の筆頭株主であるケーブルテレビ事業大手のジュピターテレコム(J:COM)が展開する有料多チャンネルサービス「J:COM TV」の視聴世帯(約355万世帯)向けに放送する。割当チャンネルは204CHとなる。

 同チャンネルでは毎日午前12時から1時までの1時間は同チャンネル独自の番組を放送する。同社では昨年から毎日午前12時から1時間に渡って同社通販サイト上でインターネット専用生放送番組「ネットLIVE」を配信してきたが、新チャンネルの独自番組枠ではこのネット動画をベースに紹介商品を在庫数や品質などテレビ通販に耐え得るものに切り替えつつ、生放送ではなく事前収録して放送する。その後の午前1時から午後11時59分までは原則、既存チャンネルである「ショップチャンネル」の生放送を1時間遅れで再放送する。

 本チャンネルの1時間ディレイ(遅れ)の再放送を行うチャンネルの保有は欧米や韓国の通販専門放送局では一般的。再放送の活用で番組製作や商品調達の手間やコストを低減させる一方で、再放送とはいえ、同一時間で別の内容の商品を紹介する別チャンネルを放送できることで、従来までは当該時間に放送中の番組や商品に興味がなく、競合他社の通販専門チャンネルに流れていた顧客を取り込める可能性が高まる利点がある。これにより、JSCでは既存顧客の購入頻度アップを図っていきたい考え。

 「ショップチャンネルプラス」では今後、スタート時点では1時間にとどまる独自番組の放送比率を高めていきたい意向のようだ。「既存チャンネルでは挑戦的な試みを行うことは減収につながりかねず、やりにくいわけだが、新チャンネルではそれが可能。新しいカテゴリの商品や見せ方など様々なトライアルを行っていきたい」(執行役員・中馬和彦オムニコンテンツ企画開発本部副本部長兼オムニチャネル推進部長)とし、取扱商品のほか、1時間枠刻みという時間編成やそれに伴う見せ方についても様々な試みを行っていき、「結果次第では既存チャンネルへのフィードバックなども行っていきたい」(中馬執行役員)考えだ。

 また、中期的には新チャンネルを現在の主要顧客層の60代女性よりも下の層であり、取り込みが課題となっていた30~40女性をメインターゲットとした専門チャンネルにしていきたい考えだ。今秋以降をメドに徐々に30~40代女性向けに商品や見せ方を意識した独自番組を増やしながら、「再来年には(新チャンネルの)ターゲットを現行の既存顧客向けから30~40代女性に完全に軸足を移したい」(中馬執行役員)という。その上で株主であるKDDIの携帯電話サービスと連動させた取り組みなどを進め、さらに30~40代女性へのアプローチを強めていく考えのようだ。

 なお、新チャンネルの始動に合わせて3月30日には通販サイトを全面刷新。近年、注力してきたネット独自商品の拡販や新規顧客獲得などの方向性から転換し、テレビ番組の放送に合わせたタイムラインを前面に打ち出し、テレビ通販との連動性を大幅に強化する。「テレビとネットで別々のものを追うと結果は出にくい。やはり当社の最大の導線はテレビ。これを2つ展開することでネットへの集客を増やし、それに対応するサイトに変えて売り上げを上げていく」(同)としている。また、今年度中には通販アプリの刷新や新規アプリの配信も予定している模様。テレビとネットの両媒体で新機軸を打ち出し、安定的な成長を維持していきたい考えだ。

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