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楽天 「ルーム」が新たな購入導線に、検索より高い購入率

2016年 6月 2日 18:02

031.jpg 楽天は5月27日、キュレーションサービス「ROOM(ルーム)」に関する説明会を開催した。ルームを使いこなしているユーザーも登場し、同サービスの良さや他のブログ・SNSとの違いなどについて話した。

 ROOMは、ユーザーが仮想モール「楽天市場」で購入した商品やお気に入りの商品を、楽天の会員IDで作成可能なユーザー専用ページ「myROOM(マイルーム)」上に収集、紹介できるというもの。

 マイルーム上で商品を収集することを「コレ!」という。「コレ!」した商品には、楽天市場のページに掲載されている画像や説明文のほか、ユーザーが撮影した画像や文章の追加が可能となっており、実際に商品を利用している写真や、お薦めコメントなどを付加することができる。また、「コレ!」して集めた商品のページを閲覧したユーザーが楽天市場に飛び、商品を購入すると、購入金額の5%が楽天スーパーポイントとして還元されるというアフィリエイトの仕組みを導入。マイルームはユーザーのセンスで選んだ商品を販売する「店舗」ということもできる。ルームの場合、「自分と趣味が近いユーザーが紹介している」といったことが購買動機のため、従来のモール内検索とは異なる購入導線となる。

 同社の三木谷社長もヘビーユーザーというルーム。同サービスを担当する、楽天市場事業編成第二部ROOMグループ、編成企画グループマネージャーの山下純一氏は「楽天市場全体ではまだ利用率は少ないが、顧客育成効果が高い」とサービスの利点を示した。ルーム利用者のライフタイムバリュー(LTV)は非利用者のLTVより高く、ルーム加入前と加入後で楽天市場における購入金額を比較すると、後者のほうが大きい。さらに、ユーザーがルームで見つけた商品を購入する確率は、モール内検索からの購入率より数倍高いという。

 商品ページにも「ルームに投稿する」というボタンがあるため、そこから投稿することもできるが、別途ルームに登録しておく必要がある。今後は事前に登録しなくても、商品ページからルームへ投稿可能にすることで、利用者を増やしていく方針だ。

 また、河野奈保上級執行役員はルームに注力する理由について「現在の楽天市場で獲得できるユーザー層と、キュレーションで獲得できるユーザー層は違う」と説明。スマートフォン時代になり、キュレーションメディアがアプリで女性ユーザーを囲い込んでいるが、「記事から買い物へ誘導するのは難しい。楽天市場内の場合、サービス内にキュレーションの仕組みを作れば、買い物への転換はやりやすくなる」(河野上級執行役員)。価格やポイントを最重要視するモール内検索からの購入に対し、ルーム経由の場合「自分と趣味があうユーザーが勧める商品なので、購入率は非常に高くなる」(同)という。

 また、説明会では女性のルームユーザーを3人招いた座談会(=写真)も行われた。「なぜルームにハマったのか」という質問に対しては「投稿すればするほど反応が帰ってくるのが楽しく、さらに最近は『ルームで見た商品だ』『ルームに投稿しよう』など、買い物が充実してきた」。また「他のブログやSNSとの違い」については、「短い時間でいつでもできるし、他のユーザーからの反応が早い点が良い」との声が出ていた。「売れたらもらえるポイントはモチベーションにつながっているか」は、「ポイントが貯まったら次の買い物に使いたいと思うし、楽天トラベルで使えるのも嬉しい」。なお、自分のルームから月に100万円単位の流通額を生み出すユーザーもいるという。

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