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コックス、デジタリゼーションを推進

2016年 5月26日 10:42

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イオングループで衣料品専門店を展開するコックスは、成長戦略の一環として"デジタリゼーション"を掲げ、ネットとリアルの相互送客に力を注ぐほか、EC限定ブランドの開発や他社商材の販売にも乗り出すことで新たな客層を開拓し、EC強化につなげる。

 同社は2011年6月に、展開するブランドの商品がすべて購入できるモール型の自社通販サイトを開設。物流センター内に撮影スタジオを設け、ささげ業務などを内製化してEC事業をスタートした。その後、13年にショップブログを開設したほか、14年3月には実店舗とECでポイントを共通化。昨年9月には自社ECとアプリの商品ページに店頭の在庫状況が確認できる機能を実装するなど、シームレスなコミュニケーション環境を整えてきた。

 自社EC以外では、14年3月に主力ブランドの「イッカ」を「ゾゾタウン」に出店したのを皮切りにファッション系ECモールとの取り引きを拡大させている。

 同社では、自社ECの開設と同時にささげ業務を始めた強みを生かし、最近では他社モールに掲載する写真を自社撮影の画像に積極的に切り替えているほか、自社ECではブランドイメージを最大限に出すためにランディングページを強化している。また、EC用の写真を店頭のポップにも活用するなど、ささげ機能を資産として有効活用している。

 今期は、4月にショップブログを刷新し、商品マスターとの連携を開始。ブログの下に自社ECの商品画像を表示して、気になった商品はECの商品ページからそのまま購入できるようにした。また、管理画面ではブログ経由の訪問客数やEC購入額を把握できるようにし、販売員の意識改革にもつなげているようだ。

 既存顧客の定着化に向けては6月から、EC会員を対象に1to1マーケティングを本格始動。購入履歴に基づいた個別のメルマガ配信を強化することで、メルマガ経由のEC売上高を前期の約18%から今期は30%を目標に据える。

 10月には自社ECのフルリニューアルも計画。同社では自社ECにおけるスマホ経由の購入率が13年度の35%に対し、14年度は53%、15年度は68%まで高まっていることから、今回の全面刷新を機にスマホサイトを優先したページ作りに転換し、検索機能の拡充などユーザビリティーの向上に力を注ぐことで収益性の向上を図り、前期は微増にとどまった自社ECを成長軌道に乗せる。

 他社モールについても、自社ECとの在庫一元化に取り組むことで効率化を図る。

 同社によると、中期的には自社ブランドだけでなく、取り扱い品目を拡大することで新たな客層を開拓することも視野にあり、モール型ECのプラットフォームを利用してさまざまな商品やサービスを扱いたい考え。

 また、EC限定アイテムなどは展開しているが、今後はEC専用ブランドの開発を検討するほか、「ECからスタートして実店舗を構えるケースも出てくるのでは」(武田竜弥デジタリゼーション営業部部長)とする。

 なお、同社の16年2月期のEC売上高はモール経由の販売が好調だったこともあって前年比71・9%増の約10億円に拡大。今期は同約50%増を目標とする。

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