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消費者庁の検討会開催、健食表示制度化へ前進

2010年 3月25日 18:26

 消費者庁が3月18日に開催した「健康食品の表示に関する検討会」第7回会合では、健食の表示制度化に向けた議論が大きく前進した。消費者サイドが持ち寄った誇大広告の表示例では、大半の委員が"問題あり"との見解で1致。1方、これら誇大広告への対処策として監視指導の強化だけでなく、表示制度化の両面から進める必要性が多くの委員から指摘された。

 健食の表示適正化に向け、消費者サイド、事業者サイド双方から制度確立に向けた提言が出された。

 消費者サイドからは「誇大広告が氾濫する背景に消費者の期待感もある。規制だけでなく、消費者が適切に利用できるように整理が必要。(健食は)エビデンス(科学的根拠)を複数の段階に分けて見せる制度などを目指さなければ現状から(議論が)進まない」(宗林さおり委員)といった意見が出された。

 一方、事業者サイドは、「行政もしくは第三者機関の定めた表示ルールで誇大広告を未然に防止することができる」(林裕造委員)、「有効性表示をどう行うか議論する必要がある」(太田明一委員)、「(消費者が健食を懐疑的に見る)根底には選択基準がない問題がある。禁止だけではなく、基準を示すことが必要」(浜野弘昭委員)などの意見が出された。

 ただ、実際、健食表示の枠組みを検討するためには課題も多い。現在、国際的に有効性が認められる試験デザインはRCT(無作為化比較試験)という試験のみ。これは特定保健用食品の許可取得にも使われる試験となっている。

 これ以外の手法で健食の有効性を確認する手法については、「検証するのは不可能ではない」(林委員)、「(確実性の問題を)消費者に周知した上でやればできる可能性がある」(浜野委員)、「難しいがRCTしか認めないのは狭すぎる」(佐々木敏委員)との声が出た一方、「国際的に認められたRCT以外の手法で検証したものを国が保証できるのか」(田中平三座長)といった指摘もされ、制度設計に課題を残すことになった。

 このほか、検討会では消費者サイドが持ち寄った誇大広告の事例を検討。「疾病名や症状が入った事例、商品そのものではなく配合成分の効能表示を謳うものがある。トクホも承認を受けた機能性以上に広告するものがあり、消費者に対する説明が足りない」(宗林委員)、「医薬品と混同している実態があり、注意表示は絶対必要」(山根香織委員)といった指摘がされ、委員からは業界の自主規制や健康増進法による監視強化を望む声が上がった。
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