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ファンケルヘルスサイエンス、販売戦略を転換、「都度購入」から「定期継続」強化へ

2014年10月23日 10:47

ファンケルヘルスサイエンスが、販売戦略を「都度購入」を中心としたものから「定期による継続」を核にした設計に変える。9月19日から健康食品の全商品を対象に定期コースを導入。多くの企業で一般化しつつある中、"最後発"の導入と言えるが、他社にはない「入会ハードルの低さ」と「最もお得なサービス」という分かりやすさで巻き返しを図る。今期(15年3月期)に通販受注の5割を定期コースに移行させることを目指す。

新サービスは「健康・得楽便」これまで青汁や発芽玄米など一部商品を除き定期コースはなかったが、9月から全商品を対象にした。

 打ち出すのは、商品を購入する上で"最もお得なサービス"であること。これまでファンケルでは、「都度購入」を中心に販売戦略を組み立てていた。徳用タイプ(3カ月)を割引価格で販売するほか、会報誌で「増量」「ポイント倍増」「プレゼント」などのキャンペーン施策を実施。継続を促してきた。

 だが、ここ数年で単品訴求の健食通販が増加。定期コースで顧客を強力に囲い込む中、顧客との関係強化に課題を抱えていた。10年ほど前から定期導入を巡る議論は続いていたが、システム投資のコストや、従来の販促施策との整合性から見送られていた。青汁や発芽玄米など一部で導入されていた定期コースも、ボーナスポイントが対象外となるなど、顧客から見てどちらが得か、分かりづらい面があった。

 定期コースは徳用タイプなどまとめ買いより高い割引率で提供。販促施策も対象にもすることで「お客様から見て分かりやすく、最も利便性の高いサービスを目指した」(同社)。また、ポイント制度などさまざまな販促施策とも連動。すでに多くの企業が導入する定期コースだが、ポイント制度との併用は少なく、制度自体がない企業も多い。制度がある企業も、別商品との交換が一般的で割引施策を行う企業は少ない。

 また、多くの企業でみられるのが、「定期3回継続」など縛りを設けていること。投資回収を念頭に置いたものだが、顧客にとっては定期利用の心理的なハードルになっている部分がある。

 これに対し、ファンケルでは初回購入から割引を行うほか、「休止・解約」や「配送サイクルの設定の自由度」「無期限返品保証」なども充実させた。顧客の要望に柔軟に対応することで入会のハードルを極力下げた。中には「都度購入」を好む層も一定数いると思われるが、継続摂取により効果実感できる健食の特性を重視し、定期顧客へのサービスを手厚くしていく。

 現段階で利用率は「2桁台」(同)。定期の継続率も90%以上で推移する。新サービスを知らない顧客も多いことからコールセンターにおける受注時の引き上げにより、利用率を増やしていく。

 ファンケルでは、徳用タイプの定期利用により、送料やフリーダイヤル、ネットアクセスなど固定費の削減を図るほか、定期顧客への会報誌の同梱も検討する。商品別のキャンペーンやクロスセルによる客単価の向上も図る。

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