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佐田、オーダースーツ通販を若年層に

2014年10月 2日 10:41

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オーダースーツの製造・卸・販売を手がけている佐田は9月5日に自社通販サイトを開設し、仮想モールの販路も含めてネット販売を強化している。新サイトではオーダースーツの仕上がりが確認できるシミュレーターも導入してオーダーメード商品のネット購入ハードルを下げ、新規顧客の開拓を図る。

 同社はテーラー向けなどに製造・卸事業を行っているが、2004年に小売事業を本格展開するため実店舗展開と共に仮想モールにも出店して通販事業を開始した。オーダーメードという商品の特性上、実店舗での採寸の工程が必要となるため、実店舗とネットを融合させたO2Oの取り組みは当初から強く意識していた。

 同社によるとスーツ業界には「セミオーダー」や「イージーオーダー」「フルオーダー」など明確な定義が顧客に認知されないまま商品販売されている側面があるという。そのため、同社はまずネットでオーダースーツそれぞれの定義や用語の解説、料金体系など詳細な情報を開示。サイトを閲覧した顧客が納得した上で購入を決め、採寸場所として実店舗に誘導する仕組みを作っていったという。「企業と顧客との情報格差をネットからの発信で埋める。その後来店して寸法が分かるとネットでの(リピート)受注も自然に増えていった」(佐田社長)と振り返る。

 同社のメーン顧客層は20、30代。ネット・実店舗供に、新規ほど若年層の割合が多い。商品の価格帯は最低1万9800円(1着お試し価格)から5000円ずつ刻みで展開。顧客の平均購入単価は3万円弱程度となっている。生地は100種類以上(その内80種類が自社規格)から選択可能で色も20種類以上。

 9月5日に開設した自社通販サイトには、幅広い組み合わせ結果をサイト上で視覚的に表現できるシミュレーターも導入している。デザインについては装飾など細かい組み合わせを含めると無制限になるが、主に選ばれているのが5万通り前後の組み合わせだという。「文字だけでは分かりづらく、選択肢を全て見せたかった。敷居が高いとされるオーダースーツ購入をゲーム感覚で使いこなしてもらえれば」(佐田社長)とした。今後はオーダーシャツについても同様のツールを導入していく考え。

 なお、同社の顧客数(保持データ)は10万人以上で、実店舗も含め直販で年間4万着以上を販売しており、新規顧客数も2万人程度ずつ増加。最近ではレディース用オーダースーツの需要も拡大傾向にあるという。

 販促施策の一環としてはプロスポーツチームの公式スーツを手がけることも行っており、東京ヤクルトスワローズ、千葉ロッテマリーンズ、ベガルタ仙台、名古屋グランパスなどをはじめ多数のプロチームに提供。サイト上で同チームの選手が着用している画像を掲載しているほか、チームと連携したリアルでの販促イベントも行って認知拡大を図っている。

 そのほか、DMやメルマガもセグメントして配信。時間にゆとりがないサラリーマンなどに対して簡単にオーダースーツができる仕組みをアピールしている。

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