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ジャパネットたかた、来年1月に髙田社長退任へ 「社員の力、信じる」

2014年 8月 7日 17:46

031.jpg ジャパネットたかたは7月31日、取引先などを招き都内で開催した「テレビショッピング20周年記念感謝の会」で同社の創業者で社長の髙田明氏が来年1月16日付けで社長を退任し、長男で副社長の髙田旭人氏が新社長に昇格すると正式に発表した。髙田社長は過去最高益の更新を目指した前期(2013年12月)の業績が目標通りに達成でき、副社長をはじめとする社員の力を実感できたことなどを挙げ、社長を退くことを決めたという。会合後に開いた記者会見で髙田明社長と髙田旭人副社長が社長交代の理由や今後の同社の方向性などについて語った。(本紙記者を含む報道陣との一問一答の中から一部を要約および抜粋して掲載)

――社長退任の理由は。

 髙田明社長(以下、社長)「副社長には1年くらい前から時折、『(社長を)やれるか』と自宅などで雑談の中で話していた。副社長にきちんと話をしたのは3、4カ月ほど前だったと思う。『(社長を)やればいいよ』と話した際、これまでであれば『まだ無理だ』という返答だったが、その時は『やれと言われればやる』と。であれば『やれ』という話になった。実は(社長交代は)5、6年くらい前からずっと考えてきた。どの企業の社長もそうだと思うが、いつかは引退し、後に引き継がねばならない。自分の代わりに社長に見合う人がいるならば、任せようと。ならば自分が元気なうちに引き継ごうと。(昨年末の会合では)『社長退任は2年以内』と申し上げたが、(過去最高益を達成した)昨年来からの事業を通じて、副社長はそれに見合うと感じた。また副社長だけでなく、ベテランの幹部、若手を含めて社員の力を感じ、みんなに任せてみようと決断した。私は66歳になったが、まだまだ元気だ。しばらくは相談に乗ったり、アドバイスができる元気もある。今が社長交代のタイミングとしては理想的ではないか。皆で切磋琢磨し、これからもっともっと強くなってくれるだろうと思っている。

 あとは私自身の中で感じていたことだが、社員の数がまた少ない時や急成長時は私の考えのもとで、『この指とまれ』で走っていてもよかったが、一定の売り上げを頂くまで会社が成長した今、これまで通り、突っ走っていって本当に企業の社会的な役割を果たせるのかと考えた時に、やはり、やり方は変えていかねばばならないと思っていた。しっかり組織を作り、人を作る仕組みを作っていかないといけない。私は感性の人間であり、そうした部分は苦手だったが、副社長はそうした部分を行う能力に非常に長けていると感じていた。実際にこの1年、組織の運営や人事制度などはほとんど副社長に任せてきたが、率直にいって実にうまいと思っていた。基礎はあり、そこに加えて経験を積んでいけばよいと思う」


――退任後の去就は。

 社長「私はあまり先のことを考えず、その都度、現状を判断しながら、決断するタイプだ。(社長退任までの)あと5カ月間でどのような立場で会社に関わっていけばベストかを考えていきたい。個人的には『会長職』などには付きたくない。相談役なのか顧問なのか。どのような立場でもサポートはできるだろう」

――テレビ出演は。

 社長「様々な媒体を活用して商品を販売する、メディアミックスは進んでいるが、『テレビ』が占める役割はすごく大きい。テレビの発信力がもたらすインターネットやチラシ、ラジオでの通販の相乗効果は大きい。だから、テレビにはもう少し自分が現場に立っていきたい。昨年から今年にかけて出演回数を増やしており、3年前の倍くらい仕事量になっている。先頭にたって確実な強固なものにして引き渡したいと思っている。なので来年1月16日以降、社長を退任してからも出演はしていくつもりだ。その期間は半年なのか、1年なのかは相談しながら決めていこうと思っている。ただ、何年もやるつもりはまったくない。私が抜けたあとの不安を皆様はおっしゃるが、『人のうわさも...』というように、半年くらいは寂しいと思っても若手がとってかわるようになるはずで、またそうなるよう期待している。私以外のMCも非常に力を付けてきているし、彼らに任せていくことでさらにレベルが上がってくるはずだ。一定のレベルに達したと感じられれば(テレビ出演から)引こうと思っている。状況を逐一、判断しながら決めたい」

――社長から引き継ぎたいもの。また新社長として変えたいことは。

 髙田旭人副社長(以下、副社長)「理念や考え方。最終的な判断の軸という部分は引き継がないとこの会社の存在価値はないと思っており、変わらずに大切にしていきたい。変えたい部分は『今までのやり方を変える』というより今までやれなかったことをやっていきたいと思っている。例えば購入後のアフターサービスの強化などだ。買ってもらうだけは意味がなく、やはり使ってもらって価値は創造されると思っている。そのため、商品購入後に『使い方がわからない』などすべての困ったことやお客様の悩みに、日本最速で応えられるような会社にしたい。それを実現するために、今、専門のチームを作って形にしようとしている。いくつもやりたいことはあるがまずは最初にそうしたことをやってみたい」

――社長が一線を退くことへの不安やプレッシャーは。

 副社長「社長は退任し、テレビに出ないと言われればかなり不安だが、そうではなく、サポートをしてもらえるため、(社長の退任による)マイナスの要素は極力、抑えられるのではないか。逆にもっと当社が強くなる、世の中に認めてもらうためにやれることは本当に山のようにありワクワク感の方が大きい」

――新社長や社員にこれから期待することは。

 社長「私は私のやり方にこれまで100%の自信をもってやってきた。ただ、最近感じるのは、私は答えを出しすぎていたのかなという想いだ。今の世の中、今、やったことも明日には通用しない。経営者にはリアルタイムで状況を判断しながら決済をすることが求められており、それを各部署の長や社員がすぐに実行に移す能力が求められる。そういう集団が作れなければ企業は勝ち抜いていけいない。社員の力を信じて、任せて自分で考え、行動させることが今後は特に必要なことだ。先ほども申し上げたが私もそうしていかねばならないと思っていたが長年の社長経験でやり方を簡単に変えられない。その点、副社長は社員とこまめに向き合い、付き合いがまめだ。これには本当に頭が下がる思いだ。そのスタイルの方が、社員を巻き込みながら変化に対応していくという経営ができるのではないか。そこも社長交代を判断した1つの大きな要素だ。期待している」

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