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タカラトミー メーカー名前面に出しネット販売本格化

2014年 7月18日 18:01

051.jpg 玩具メーカーのタカラトミーは、昨年4月に「WEB戦略事業部」を開設。これまでグループ内の販社で手がけていた通販事業を移管して、ネット販売の本格的な運営を開始した。

 これまでグループ販社が手がけていた通販サイトは「トイホビーマーケット」の名称で、大人向けの復刻版オリジナル玩具などを中心に売り上げを作っていた。しかし、更なる販売機会の拡大に向けて同事業部を開設し、メーカー名から検索されやすいように名称も「タカラトミーモール」(画像)に刷新。サイトの導線設計も大きく見直し、昨年11月にはスマホ版も開設したという。

 事業部の開設に当たっては専任の開発チームも作って、ネット限定オリジナル商品の販売にも注力。最近のヒット商品としては変形ロボット玩具「トランスフォーマー」とアニメ「ヱヴァンゲリヲン」のコラボレート商品や、少女向けアニメ「クリィミーマミ」の復刻版フィギアなどがある。元々人気が高かったオリジナル商品で大人になった当時の視聴者世代を呼び込みつつ、その子供などに向けてはNB商品(一般商品)の販売に誘導しているという。

 オリジナル商品は常時20数点ほど販売しており、価格はおおむね5000円以上。最近では1万円前後も増えており、サイトの売り上げの3割がオリジナル商品となっている。サイト全体の登録商品数は約8000SKU。年間で2000SKUを追加登録しており、古い商品は多段階的にひき上げているためアクティブでは4000SKUが表示されている。会員の年齢分布は男性が40~50代、女性が30~40代。購入比率としてはNB商品が父母世代、オリジナル商品は独身男性が多い傾向。

 商品政策以外での集客やPR策ではリスティング・アフィリエイト広告のほか、週1回のメルマガによる情報配信がある。会員登録時に子供や孫の生年月日と名前を入力するフォームも設けたことで約半数の会員情報を獲得。子供の誕生日前月にはプレゼント購入を促すクーポンメールのセグメント別配信なども開始した。

 また、リアルとの連携も模索しており、グループ会社が都市部などで運営している全国9カ所の実店舗「トミカ・プラレールショップ」の活用を検討。実店舗レジの購買データと通販の個人情報やポイントを共有化したり、在庫連携や店頭受け取りなども将来的には取り組んでいきたいという。そのほか、販促活動の一環として玩具関連行事や自社開催の大規模イベントなどでも通販に関する情報発信の機会を設けていく考え。

 昨年度の同社の通販事業の売上高は約1億5000万円でサイト訪問者数は20万人だった。今期は倍増となる売上高3億円、来訪者数40万人を目指しており、3年後の2017年度には売上高を10億円にまで伸ばす計画。

 売り上げ拡大に向けては、強みであるオリジナル商品の倍増を考えている。現在は自社通販サイトのほか今年4月に「ヤフー」に出店しているが、今後は他の仮想モールにも出店して売り場を広げ新たな顧客層を開拓することも視野に入れている。
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