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通販業界の景況感は? 概ね厳しい見方、「耐える年になる」との声も

2014年 6月26日 16:15

 アベノミクス効果で景気回復の兆しは見えつつあるものの、消費増税や物価高など決してよくはない環境でスタートを切った2014年度。通販実施企業は現状をどう捉えているのか。日本通信販売協会(JADMA)が6月20日、総会後に開催した記念パーティに出席した通販企業各社を中心に足元の状況や景況感、今後の見通しなどについて聞いた。

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 千趣会では現状について「4、5月と回復の手応えは感じられない。恐らくボーナス商戦に入ってから高額品が動くのではないかと思う。ただ、夏物衣料などはセール対象となってしまうため、本当の意味で回復の手応えが実感できるのは、秋口以降になるのではないかと思う」とする。

 ニッセンホールディングスでは「駆け込み需要の立ち上がりが早かったことも影響しているのかもしれないが、増税による落ち込みからの回復は思ったよりも早かった」と手応えを口にする。実際に4月度売上高は前年同期比9・6%減だったものの、5月度は同6・2%増となっている。なお、セブン&アイグループの傘下に入った同社だが、その成果に関しては「これから出てくる」とした。

 オットージャパンでは今年度の出足について「そこまで高額ではないファッション商材を扱っていることもあって、増税前の3月は期待したほどの駆け込み需要はなかった。4月は消費者の購買意欲が全体的に積極さを欠いたため当社の売り上げにも少し影響した。ただ、他社に比べると落ち込みは少なかったのではないか」とする。また足元については「ファッション商材という季節物を扱っていることもあり、ほぼ、足もとでは需要が戻ってきていると感じる」とコメントしている。

 カタログハウスは今年の見通しについて、「今年は去年より悪いのは間違いないだろう。増税だけでなく、生活必需品の値上がりもあり、消費者の財布の紐は固くしまっていることは確かだ。まして消費増税前の駆け込みで耐久消費財が売れたが、それは需要の先食いであり、逆を言えば、この数年は当該商材の売り上げは見込めない。厳しい年になりそうだ」とする。

 JFRオンラインでは「3月は販促効果もあって駆け込み需要をつかんだが、4月以降は苦戦している。3月に得た貯金は4~6月の3カ月で完全になくなった感じ」としている。また「ファッションやリビング系はとくに、7月くらいまでは厳しい状況が続きそうだ。今年は耐える年になる。大きなことをするのではなく、媒体の配布部数を絞るなど効率化を図ることを優先する」とする。

 日本テレビ放送網は足元の状況について「4月よりは回復してきたが、駆け込みの反動のほか、番組の編成上の理由もあり、厳しい部分もある」とする。

 ロッピングライフでは「テレビ通販に関しては消費増税の影響だけでなく、編成上の都合もあり現状は良くない。ただ、通販カタログは悪くなく、駆け込みの反動の影響はだいぶ、薄らいできているとは思う。回復基調に行くかなとは思うが来年秋の消費増税もあり、今後の見通しは何とも言えない」。

 イオンダイレクトでは「駆け込みの反動で今年度に入ってからは厳しい状況だった。ここに来て多少、持ち直してはきたが、油断できない。お客様へのアプローチ方法などをしっかり検討していきたい」と話す。

 ヤマサキは「増税の影響で落ち込みが大きくまだ完全には戻っていない。主力のヘアケアのトリートメントは使用期間が長く、増税の影響は長引いているのかもしれない。現状では販促ではメルマガ1通あたりの平均売上高が落ち、動きは鈍い」。

 タキイ種苗では消費増税の駆け込みと反動の影響について「3月は園芸のシーズンではなかったため早目に買い込むといった駆け込み需要はなかった。4月以降に関しても特に大きな反動はなく、繁忙期である4月下旬から5月についても例年通りとなった」としている。

 また、「当初、5、6月頃には消費税増税による駆け込み需要の反動から立ち直ると言われていたがそれは楽観論。アベノミクスの効果で影響はそれほど大きくないとも報道されているが、会員企業の状況を見ると、良いのは大都市部の大手事業者だけで地方の中小事業者は厳しいのが実情」(日本小売業協会・土方清会長)との声もあっ
た。

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