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ニトリHD、通販売上が100億円突破、送料無料サービスなど奏功

2014年 4月 3日 14:32

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ニトリホールディングスでは通販事業を今年度の重点施策の1つに位置付け、事業拡大を目指している。送料無料サービスの拡充などにより直近の同事業売上高は100億円台を突破。今後もスマートフォン対応や実店舗と連携したオムニチャネル戦略を強化していくことで、集客力の向上を図る。

同社では毎年右肩上がりで通販事業の拡大が続いており(表参照)、特に昨年度については12年12月に開始した自社通販サイト「ニトリネット」での7000円以上の購入を対象とした送料無料サービスが奏功し、売り上げが大幅に増加。13年3月にはその対象地域を全国まで引き上げて利用者の拡大が進んでいる。

 また、近年はスマホ経由の販売が伸びていることから今年3月13日には商品購入機能に加えて実店舗の位置や新商品情報などが確認できる専用アプリの配信を開始。今後は実店舗用メンバーズカードとの共有化やバーコードによる商品検索機能を導入することも検討している。

 さらにオムニチャネルの観点から現在特に強化しているのが店頭でのスマホ活用。今年度末には消費増税の影響で実店舗への来客が集中し、レジでの注文・配送手続きが滞っていたことから、店頭で購入希望商品の注文カードを配布。注文カードを見ながらその場でスマホを使ってネットで購入することを顧客に促していったという。「通販に誘導できるのは実店舗を持っていることの優位性。結果的に全体の生産性が向上するので今後もバランスを見ながら融合を進める」(同社)とした。

 そのほか、今年度の通販事業の取り組みでは、ネット専用商品の投入やサイトで使用する商品写真を撮影するためのスタジオ増強なども予定している。

 なお、同社の2014年2月期の通販事業売上高は前年比45・0%増の122億円。同事業の総売上高に占める割合は約3・2%で、同0・8ポイント増加している。当期は実店舗とともにソファー、ベッドなどダイニング向けの高額家具商品の売れ行きが伸長。ホームファッションでは寝具、寝装品、クロス、収納用品が好調に推移した。一方で入れ替え商品の投入が遅れたこともあり、キッチン家具やキッズ・ベビー用品は前年割れとなった。

 また、同社子会社で国内の実店舗事業や通販事業を統括するニトリは5月9日に社長人事を実施。同日開催の株主総会後に新社長としてニトリの白井俊之取締役専務執行役員が就任する見通し。似鳥現社長は代表権のある会長に就任する予定。

 今回の社長人事について似鳥社長は、「分担と分業が主な理由。今後、海外店舗を大きく増やす計画の足がかりを私が作っていく中で、国内事業を白井専務に任せたかった」と説明した。

ニトリの白井新社長との一問一答
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3月28日開催の決算発表会終了後に、本紙記者の質問に応じた白井新社長(=写真)との一問一答は以下の通り。
 通販事業の売上高が100億円を突破した。

 「本業から見ればまだ大きい数字ではないが、これからはオムニチャネルで通販だけでなく全体で商品提供の最適な形を考えていく。(大型)家具商品の場合、他の通販会社などでは物流面で悩みを持つ印象があるが、当社は自社物流があるのでそれが大きな武器になっている」

 今後、取り組んでいきたい施策は。

 「ある程度通販事業の規模が大きくなってきたのでいろいろとトライしながら、その結果を店とも連動させたい」

 具体的な連動の内容とは。

 「例えば店のスペースに制限があるので、ロングテール商品やカラーバリエーションが多いものはその全てを見せられないこともある。店でサンプルだけ見せて購入時に通販へ誘導することはあるだろう。
 また、通販=ネットとなりがちだが、高齢者のことも考えなければいけない。現状、紙の通販カタログは行っていないので店頭とも連携して高齢者が注文しやすい体制を何か考えたい」

 今後の通販事業での目標について。

 「中長期的な話など具体化した内容はまだ社外に出せる段階ではないが、今後の社内での通販の位置付けはかなり重要なものになるだろう」

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