昨年11月の「楽天日本一セール」において、不当な二重価格表示を行った疑いのある店舗があったことが発覚したのをきっかけに巻き起こった「二重価格問題」で、楽天のECコンサルタントが、比較対照価格となる「元値」をつり上げて、あたかも大幅な割引になっているかのよう見せかけるよう指示していたと一部報道機関が伝えた。
この問題に関して楽天では「当社所定の審査を受けた商品に関しては、セールに便乗した元値の不当な引き上げがないかを確認した上で商品を掲載していた」などと説明しており、自社の関与を否定していた。
本紙では楽天市場における「二重価格表示」問題を昨年6月から取り上げており、大型セール時以外でも、実際には機能していない可能性の高い「当店通常価格」を用いて「お得感」を示す店舗があることを指摘してきた。仮にこうした「演出」に対して、楽天のECコンサルが関与していたとすれば大きな問題となる。
ある楽天の元ECコンサルタントは「関連法規に対する研修はしているが、ECコンサルは売り上げを作ることがミッションなので『バレなければいいだろう』という行動に出る人も出てくるのではないか」と指摘する。さらに「新卒がいきなりECコンサルをやるわけで、経験も社会常識もない人がいることが想定される。コンサルも(売り上げを増やすために)良かれと思って勧めているのでは」と推測する。
また、楽天市場に詳しい業界関係者は「大型セールに関しては、コンサルが(半額以下セールや77%オフセールへの)商品登録を強く推奨していた話は店舗から聞いている。『他もやってますよ』などと元値のつり上げを勧めるコンサルがいたとしてもまったくおかしくない。出店者からは『あれだけ楽天側が(セールへの参加を)煽っていたのに、責任がないといえるのか』という声がかなり聞かれた」と話す。
ある出店者は「以前の楽天スーパーセールで、ある店舗がコンサルから『無料で枠を取ったので、何とか商品を出してくれないか』と強く頼まれた話は聞いたことがある。不当表示が騒がれた際の『店舗が勝手にやったこと』という趣旨の記者会見を見て、頭に来た店舗は多いのではないか」と話す。その上で「二重価格以外でも、景品表示法に違反している店舗や著作権法に違反している店舗はあり、これを指摘しても楽天はなかなか動いてくれない」と憤る。
スポーツ用品を販売する出店者は「元値つり上げなどの話は来たことがない」とした上で「売り上げ至上主義なのは分かっていたし、驚きはまったくない」と言い放つ。
景品表示法の規制を受けるのは商品やサービスを供給している事業者に限られるため、仮に楽天の指示があったとしても、同社は行政処分の対象とはならない。アパレルのネット販売を手がける出店者は今回の一連の報道について、「もし、楽天のコンサルから元値を釣り上げるような指示があっても出店者側が従う理由はないわけで、まっとうな出店者であればそのような常識を逸した指示を断るのが普通。それを楽天のコンサルの責任にするのはいかがなものかと思う」と感想を述べた。
また「もしノルマを達成するために、コンサルや所属部署がそのようなことを自己判断で行っていたとすれば処分されても仕方がないと思う。しかし、ノルマをクリアさせるために楽天全体で今回のような指示を裏で手を引いてさせているとは常識的に考えて思えない」とした。
インテリアネット販売の出店者は、過去に不正行為の指示を受けたことはなく「もしあったとしたらそのことの不当性を教えるし責任の所在もはっきりとさせる。今回の一連の報道は適正な状態へのスタートだとしたら前向きに捉えられる」と説明。また、「時代が求めているのはわかりやすい表現力であったり文章力であったりより高レベルな能力。一消費者としても自戒し、単に50%オフとか送料無料とかポイント10倍とかに乗らず、自分に必要な良いものを適正な価格で買う消費活動をしていくことが正常化を生むと考えている」とした。
本紙では報道が事実かどうかや、社内調査の有無などについて楽天に問い合わせたところ「貴社とは係争中のため、問い合わせ等への回答は差し控える」との返答があった。
編集部より:通販新聞では「二重価格問題」など、楽天のECコンサル関連で取材させていただける方を募集しています。取材源の秘匿は厳守いたします。連絡先は楽天特別取材班 電話:03-3815-7635、メール:info@nethanbai.jp です。
この問題に関して楽天では「当社所定の審査を受けた商品に関しては、セールに便乗した元値の不当な引き上げがないかを確認した上で商品を掲載していた」などと説明しており、自社の関与を否定していた。
本紙では楽天市場における「二重価格表示」問題を昨年6月から取り上げており、大型セール時以外でも、実際には機能していない可能性の高い「当店通常価格」を用いて「お得感」を示す店舗があることを指摘してきた。仮にこうした「演出」に対して、楽天のECコンサルが関与していたとすれば大きな問題となる。
ある楽天の元ECコンサルタントは「関連法規に対する研修はしているが、ECコンサルは売り上げを作ることがミッションなので『バレなければいいだろう』という行動に出る人も出てくるのではないか」と指摘する。さらに「新卒がいきなりECコンサルをやるわけで、経験も社会常識もない人がいることが想定される。コンサルも(売り上げを増やすために)良かれと思って勧めているのでは」と推測する。
また、楽天市場に詳しい業界関係者は「大型セールに関しては、コンサルが(半額以下セールや77%オフセールへの)商品登録を強く推奨していた話は店舗から聞いている。『他もやってますよ』などと元値のつり上げを勧めるコンサルがいたとしてもまったくおかしくない。出店者からは『あれだけ楽天側が(セールへの参加を)煽っていたのに、責任がないといえるのか』という声がかなり聞かれた」と話す。
ある出店者は「以前の楽天スーパーセールで、ある店舗がコンサルから『無料で枠を取ったので、何とか商品を出してくれないか』と強く頼まれた話は聞いたことがある。不当表示が騒がれた際の『店舗が勝手にやったこと』という趣旨の記者会見を見て、頭に来た店舗は多いのではないか」と話す。その上で「二重価格以外でも、景品表示法に違反している店舗や著作権法に違反している店舗はあり、これを指摘しても楽天はなかなか動いてくれない」と憤る。
スポーツ用品を販売する出店者は「元値つり上げなどの話は来たことがない」とした上で「売り上げ至上主義なのは分かっていたし、驚きはまったくない」と言い放つ。
景品表示法の規制を受けるのは商品やサービスを供給している事業者に限られるため、仮に楽天の指示があったとしても、同社は行政処分の対象とはならない。アパレルのネット販売を手がける出店者は今回の一連の報道について、「もし、楽天のコンサルから元値を釣り上げるような指示があっても出店者側が従う理由はないわけで、まっとうな出店者であればそのような常識を逸した指示を断るのが普通。それを楽天のコンサルの責任にするのはいかがなものかと思う」と感想を述べた。
また「もしノルマを達成するために、コンサルや所属部署がそのようなことを自己判断で行っていたとすれば処分されても仕方がないと思う。しかし、ノルマをクリアさせるために楽天全体で今回のような指示を裏で手を引いてさせているとは常識的に考えて思えない」とした。
インテリアネット販売の出店者は、過去に不正行為の指示を受けたことはなく「もしあったとしたらそのことの不当性を教えるし責任の所在もはっきりとさせる。今回の一連の報道は適正な状態へのスタートだとしたら前向きに捉えられる」と説明。また、「時代が求めているのはわかりやすい表現力であったり文章力であったりより高レベルな能力。一消費者としても自戒し、単に50%オフとか送料無料とかポイント10倍とかに乗らず、自分に必要な良いものを適正な価格で買う消費活動をしていくことが正常化を生むと考えている」とした。
本紙では報道が事実かどうかや、社内調査の有無などについて楽天に問い合わせたところ「貴社とは係争中のため、問い合わせ等への回答は差し控える」との返答があった。
編集部より:通販新聞では「二重価格問題」など、楽天のECコンサル関連で取材させていただける方を募集しています。取材源の秘匿は厳守いたします。連絡先は楽天特別取材班 電話:03-3815-7635、メール:info@nethanbai.jp です。