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ただ、同じ食品の販売でもこれまでの「宅配」と「通販」では似て非なるもの。宅配の場合は特定の会員に毎週、だいたい決まった量の商品を配送すればよいが、通販の場合、その時々で配送量にもばらつきがあり、配送期間も一週間というわけにはいかない。また、野菜など生鮮品の場合、売れ残ったら在庫にするわけにはいかず、予測を見誤るとダメージは大きい。こうした点をらでぃっしゅぼーやはどのように克服しネット販売を行っていくのだろうか。
まずは発注について。宅配事業の場合は、配送時に翌々週お届け分のカタログを配布し、次の配送時に注文用紙を回収。回収した注文用紙を入力し、メーカーや生産者に受注分を発注する。賞味期限の長いものであれば一週間分まとめて納品してもらい、配送曜日ごとに出荷する。注文数に応じて発注するため出荷後は一時的に配送センターが空になるため、在庫管理の負担が少なかった。
一方、ネット販売「eらでぃっしゅ」の場合では配送までのリードタイムを最短3日としているため、それには宅配とは異なり、在庫を抱えなければならない。そこで宅配の物流センターとは別に新たに「武蔵浦和」にネット販売専用の配送センターを設置し、在庫を保有する毎週水曜日のサイトを更新後の受注状況を見て1週間の受注を予測。発注分は翌日に納品してもらい最短で翌日に出荷。サイト掲載期間中に在庫が足りないことが分かるとその段階で再度発注し翌日に納品。翌々日には出荷できる体制となる。これにより最短3日のリードタイムを実現し、在庫ロスを最低限にとどめている。
ただ、予測発注を見誤ると賞味期限のある食品では商品廃棄によるコストロスが生じかねない。10万人の会員制宅配とは異なり、早期に1定のリピート客を確保しなければ精度の高い受注予測は困難とみられる。
そこで展開するのは定期購入サービス「マイらでぃボックス」だ。旬な野菜と果物のセット商品で、毎週決まった曜日に届けるもの。あらかじめ登録した牛乳、たまごなど日配品20品を「マイらでぃボックス」と1緒に届ける。利用頻度の高い日配品でユーザーの継続利用を促す考えだ。
「マイらでぃボックス」が順調に稼働すれば、1週間の受注予測が立てやすく、アイテムによってはロスなく発注することも可能。早期に収益を安定させ「将来的には宅配事業と同程度の売り上げ規模へと拡大させたい」(同社)考えだ。