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ギルト・グループのジョアンナ・ドゥービンCEOに聞く、会員制セールサイトの現状

2013年 6月27日 16:26

501.jpgのサムネール画像フラッシュセール市場は150億円超に、顧客が感じる〝最高〟を提供

 国内のフラッシュセール市場をけん引するギルト・グループ(本社・東京都中央区)。6月1日にマーチャンダイジング本部長からCEOに昇格したジョアンナ・ドゥービン氏に足元の取り組みや事業環境などを聞いた。

―― 日本市場に進出して4年半になる。

 「日本にフラッシュセールの事業モデルを持ち込み、常にリーディングカンパニーであり続けている。その間、2ケタ以上の成長を維持し、毎年、予算をクリアしてきた。社員数も120人に拡大した。社員教育を充実させることで業績を含めてもっと成長できる」

――事業環境は。

 「フラッシュセールへの理解が進んだことが成長につながっている。大手3社の客層が違うため、ブランド側もどのサイトで何を売るのがベストか判断しやすい。3社の住み分けができている」

――御社の強みは。

 「単にブランド物を安く売るのではなく、ライフスタイルを提案している。その時々のテーマに沿った商材を扱うことが、顧客の良い買い物体験につながる」

――競合に比べ、ラグジュアリー感を打ち出している。

 「体験やサービス、商品を提供しているが、その結果が"一番高い商品"ということではない。顧客にとって何が"ラグジュアリーな経験"なのかを考えて提案する」

――顧客属性は。

 「30代の女性が一番多く、そのうちの70%が働いている。女性会員の20%は主婦だ。男性会員も増えており、会員数は150万人に増えた。顧客全体の55%が関東在住というデータもある」

――物販のフラッシュセールの規模感は。

 「大手3社に加え、小さな企業も出てきており、150億円以上の市場に成長しているのではないか」

――日米でセールに対する意識の違いは。

 「日本の文化はかなり独特だ。欧米ではブランド品を何%オフで購入したということを恥ずかしがる人はいない。日本人は良い買い物をしたと思っていても、友人に広く伝えるという文化ではないように思う」

――体験クーポンも日本の市場は独特か。

 「体験型の『ギルト・シティ』も嗜好の違いがある。米国ではエクササイズやコンサートチケットが売れるが、日本ではスパやサロンが好調だ。顧客のライフスタイルを分かった上で提案しており、ホテルの宿泊券など東京以外で使えるサービスも始めている」

――日本独自の取り組みは。

 「メールのプラットフォームを自社開発のものに変え、米国とは異なる顧客へのアプローチが可能になった。顧客をセグメントに分けてそれぞれ異なるメッセージを送れるようにする」

――今後については。

 「『ギルト』で週に70のセールを開催しているが、新しいブランドの開拓は不可欠。サイトの見栄えをさらにブラッシュアップし、消費者が訪問したくなる環境作りにも力を入れる。また、日本はモバイル通販のポテンシャルが高く、モバイル端末の強化も大事だ」
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