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ロコンド、アパレル商材を本格展開、返品無料で通販初心者を開拓

2013年 4月 4日 10:04

3-1.jpg靴とバッグのネット販売を手がけるロコンド(本社・東京都港区、田中裕輔社長)は今期、既存顧客のリピート化を促進する施策を矢継ぎ早に打ち出す。一環として、4月からアパレル商材の取り扱いを本格化。靴とバッグだけでなく、服まで提案の幅を広げることで、アクティブ会員の年間購入回数を現状の平均2回程度から4回へ引き上げたい意向だ。

 アパレル商材については、3月中旬に「ナノ・ユニバース」など人気3ブランド、約500型で先行スタートしており、4月中旬にはスペインの人気カジュアルブランド「デシグアル」を投入する予定。

 主力の靴では通販サイト本格オープンの2011年2月から約2年で1000ブランドを扱うまでに拡大していることから、アパレルでも今後2~3年で1000ブランドの扱いを目指す。

 ただ、この1年はブランドの数よりも有力ブランドの獲得を優先。毎月10ブランド弱を投入して新カテゴリーの基盤を固める考え。

 見せ方の面では、競合が採寸や撮影にかけるコストを「送料無料・返品無料」のオペレーション強化に回す。同社は、商品の詳細部分の採寸に時間をかけたり、モデル着用の画像を多用してコストをかけるよりも、商品を早く、多くサイトにアップすることや、無料で返品できるサービス力を重視。イメージ違いや返品の手間、送料負担などから通販を利用していない消費者にも、"買ってから選ぶ"というロコンドの強みを前面に打ち出すことで、ファッション商材の通販初心者を取り込む。

 新カテゴリーの出だしは、昨年秋にトライアルした服の予約販売会では商品が約100型と少なかったこともあるが、今春は開始1週間の訪問客数、受注額はともに前回の10倍以上という好スタートを切ったという。

 アパレルの本格展開に伴い、返品受付期間を従来の99日から30日に短縮するものの、従来からほとんどの返品が30日以内ということもあり、顧客離れにはつながらないと見ている。

 一方、顧客対応については、5月をメドに電話による注文を受け付ける計画。これまではコンシェルジュが靴選びのサポートや、サイトの利用方法を電話で教えるなどしてきたが、電話で注文したいという声が根強いこともあり、とくに50代以上のニーズに応える。

 コンシェルジュ機能は自社スタッフが引き続き担うが、電話受注については顧客情報の管理などから外部のパートナー企業に委託するという。

 電話受注のスタートに合わせて、同社では親和性の高いカタログ展開も視野にあるという。「最新の技術ばかりでなく、昔から通販に親しんでいる消費者には、分かりやすく、安心して購入できるツールも必要」(田中裕輔社長)とし、シニア層にも使いやすい通販サイトとしてサポート体制を厚くし、競合サイトとの差別化を図る。

 また、今後は顧客参加型のリアルイベントの開催も検討しており、強烈なファンの獲得を推し進める。

 ロコンドの13年2月期の取扱高は前年比約3倍の35億円となる見込みで、2年後(15年2月)には100億円を計画。売り上げ構成比も現状では靴以外が15%程度だが、アパレル商材の本格化で2~3年後には30%に引き上げる。

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