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ロコンド  靴の通販が成長軌道に、今期取扱高35億円へ

2012年11月22日 16:26

 ロコンドが運営する靴とバッグの通販サイト「ロコンド」が軌道に乗ってきている。品ぞろえや認知度アップ、サイトの使い勝手といったネット販売には欠かせない基盤の整備が進み、とくに秋冬シーズンの本格化とともに客単価も向上。10~11月の月商は取扱高ベースで3億円を超え、今期(2013年2月)の取扱高は前年の約3倍となる35億円を狙える状況という。



 MD面ではインポートシューズや「オデットエオディール」「卑弥呼」など人気ブランドの取り扱いが始まり、今秋冬シーズンは1000ブランド以上がそろうなど商品ラインアップが充実した。

 サイト開設時の買い取り販売から委託販売形式など取り引き形態を多様化させたことに加え、取引先に合わせた柔軟な対応力が支持され、品ぞろえ強化につながっているようだ。例えば、中小小売りの在庫を同社の物流拠点で一元管理し、ネット販売用だけでなく店舗向けの配送も請け負うなど"倉庫のハブ"としての役割をロコンドが担ったり、同社のメルマガ会員に取引先の店頭で使えるクーポンを送るケースもあるという。

 認知度向上策については、今春にテレビの情報番組でとり上げられて以降、くちコミを中心に認知度が上昇。"買ってから選ぶ"という同社の事業モデルが少しずつ浸透している。

 テレビCMは当面放映せず、ウェブ広告やパブリシティー活動を中心に、リアルでのくちコミも重視する。同社では商品配送時に返品伝票を同梱して返品しやすくしており、「送料無料・99日間返品無料」というサービスのオペレーションに磨きをかけることで、昔ながらのくちコミ効果を狙う。

 11月中旬のサイト刷新では顧客の声を反映させ、ビジュアルで商品を絞り込める「かんたん検索」を導入。ロコンドを利用したことのない消費者にヒアリングしたところ、欲しい商品のイメージがあっても、細かい名称まで分からないという意見が多かったため、専門用語を廃止して分かりやすい写真を用いた検索機能を設けた。

 また、コンシェルジュを本社に置く強みを生かし、「結婚式に合う靴は」など顧客の質問が多い項目をスピーディーにサイトに反映させる「お悩み別検索」も設置した。

 一方、秋物の立ち上がり時にトライアルしたアパレル商材は、来春もしくは来秋をメドに本格化させたい考え。今秋は3ブランド100型のみの展開だったため売り上げは限定的だったが、「商品登録や返品作業の地ならしはできた」(田中裕輔社長)とする。次シーズンでは細かい部分の採寸などに時間をかけるよりも、モデル着用画像を充実させることで、服でも"買ってから選ぶ"というサービス力を生かす。

 今後は事業モデルの認知をさらに高める。一環として、正月には「買ってから選べる福袋」を販売。返品できる福袋という新しい価値を提案する計画だ。

 現状、ロコンドの会員数は19万人弱で、年内には20万人に届く見通し。商品数は約3万5000点(色違いなど除く)、返品率は25%程度。購入者の3割がリピーターという。客単価は秋冬シーズン入りもあって1万3000~1万4000円に上昇している。

 同社では、12年2月期の取扱高12億円(返品調整後売上高8億6000万円)に対し、今期は35億円(同約25億円)、14年2月期は70億円(同50億円強)を計画。15年2月期には黒字化の目安となる取扱高100億円(同約75億円)を目指している。

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