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化粧品OEMの成長戦略㊤ サティス製薬、「ナチュラル×高性能」で新市場創出

2012年11月15日 14:24

 サティス製薬が、"ナチュラルかつ高性能"な化粧品の開発で、新市場の創出を目指す。だが、2つの要素は化粧品市場で対極に位置する概念。サティス製薬は、いかにして相反する要素を備えた製品開発を可能にし、他社優位性を発揮していくのか。

 化粧品市場の競争が激化する中、成長し続ける市場が2つある。「アンチエイジング」と「ナチュラル・オーガニック」の市場だ。長期的なデフレや人口動態から市場全体は、今後、下降トレンドになることが避けられない。ただ、対極的な位置づけにある2つの市場だけは成長を続けている。

 2つの市場は、「アンチエイジング」がシミやシワを消すなど"使うことでどうなるか(機能性)"を重視する一方、「ナチュラル―」が"何を使っているか(天然性の追求)"を重視している点で異なる。ここでは、後者の市場に注目したい。

 今の「ナチュラル―」市場は、「世界観を楽しみたい」「ハーブらしさを味わいたい」...など一部のマニア的な層に支えられているのが実態だ。が、市場拡大に伴い利用者が増えれば、大半の消費者がそれでは納得しないだろう。「ナチュラル―」化粧品は、これを追求するがゆえに、化粧品に不可欠なある問題とトレードオフの関係にあるためだ。

 一つは、「機能性」。化学合成成分が多いアンチエイジング系の原料と異なり、天然物を用いる「ナチュラル―」は、作用が穏やかで効果実感に時間がかかる。

 作ること自体、それほど難しくもない。市場には多くの「ナチュラル―」化粧品が溢れているが、「抽出法は伝統的な手法が採用されており、極端な話、家庭でもできてしまう」(同社)。有機野菜を見つけ、安定的に調達できる環境が整えばオーガニック訴求自体は可能だ。ただ、「効果がない」(同)。

 もう一つは「使用感」。シャンプーを使えば髪はごわごわになり、クリームを塗ればべたつく。「それでも"オーガニックだから"と消費者は不満を飲み込む。使う人にがまんを強いる」(同)。

 かつて化粧品が"作れば売れる"という時代は、ナチュラルとオーガニックの違いを明確に認識する消費者も少なく、使用感を良くするシリコンを使い、高い機能性はないが「ナチュラル度もほどほど」「使用感もほどほど」な製品が通用した。

 ただ、「アンチエイジング」「ナチュラル―」いずれかの市場に事業者が向かい、その鋭さを追求する中、従来の"ほどほど感"では高い成長力は望めない。多くの消費者は「ナチュラル―」化粧品であっても"使うことでどうなるのか(機能性)"を期待するようになることが想定されるためだ。

 サティス製薬では、自然素材の機能性を引き出す「原料開発技術」や「製剤化技術」に加え、他のOEM事業者やメーカーが手薄となっているある独自技術で"ナチュラルかつ高性能"を求める市場ニーズに応えていく。(つづく)
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