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開催したのは「新食品表示法(仮称)に関する消費者団体のワークショップ」。消費者団体から消費者庁長官に対する面談の要望が多かったことを受けて開催したもの。会合には15の消費者団体が参加し、阿南久消費者庁長官は「来年度の通常国会での提出を目指して、立案作業中。より良い食品表示制度を策定したい」と挨拶した。
新食品表示法は食品衛生法とJAS法、健康増進法の表示に関する条文を抜き出して制定するもの。課題となっていたJAS法と食品衛生法の二重規制の解消が目的。「3法が一貫したものになる」(消費者庁)とし、60項目の表示基準が盛り込まれる見通し。
新たに栄養表示の義務化を追加し、義務の対象を製造業者などすべての事業者を対象とした。また、不適切な表示を申告する申出制度を導入。不適正な表示を行った事業者対して是正措置を行うほか、法律に罰則規定も盛り込む考え。
新食品表示法に対し、食品表示を考える市民ネットワークの神山美智子弁護士は「景品表示法の内容を条文として盛り込めないか」と発言。清涼飲料水と間違えやすい酒類の表示を例に、誤認表示や紛らわしい広告の規制を要望した。
全国地域婦人団体連絡協議会の長田三紀事務局次長は「景表法の表示ルールを加えるべき」と指摘。効能効果をイメージさせる体験談などの広告表現を含めた表示規定を検討してほしいとした。
食品保健科学情報交流協議会の関澤純理事長は「広告宣伝を含めて情報提供のあり方をトータルで考えるべき」と主張。情報提供のあり方を踏まえた食品表示ルールを考える必要があるとした。
これら意見に対して、消費者庁は「景表法の条文を盛り込むことは適切ではない」と説明。新食品表示法上で取引条件に関する規定を定め直す必要があるため、法体系として望ましくないとし、「新たな食品表示法は景表法の特別ルールとの位置付け。一般法を排除しない形で両方の関係を定めていく」とした。酒類については、すでに別法でルールがあると指摘。「地方機関を持たない消費者庁が所管することになれば、制度が弱体化する」と説明した。