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【海外消費者のEC利用動向③】経産省の6カ国調査、実物確認と配送が上位

2012年 9月27日 10:36

 経済産業省経済産業省が「平成23年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」で行った日本および米国、中国、フランス、インドネシア、ベトナムの6カ国の消費者に対する調査では、店舗への移動や営業時間の制約がないこと、価格的な魅力などの理由でECを利用している傾向が見られた。だが、一方では、ECの利用に不安や不便を感じる層もいる。

 ECの利用に不安や不便を感じる理由として、まず挙げられたのは「購入前に実物の商品を確認できないこと」。インドネシアを除く5カ国で最も回答が多く、インドネシアでも第2位に挙げられた理由だ。

 通販・ネット販売の特性上、実際の商品を見られないのはいたしかたないところだが、やはり基本的な部分で、商品の見せ方や説明などの工夫により、顧客の不安を少しでも解消することが重要と言えそうだ。

 次に目立ったのは、商品配送面の不安で、「配送時に商品が破損する可能性があること」。インドネシアではECの利用で不安に感じる理由の第1位となっており、米国や中国、フランス、ベトナムでも上位3位以内に入っている。

 各国の消費者は、商品の受け渡し部分をECのネックと感じているようで、このほかに「配送の遅延などで希望の日時までに商品を入手できない可能性があること」「受け取りの際、自宅などで配達まで待機しなくてはならないこと」といった理由も挙がっている。

 この結果は、商品配送や受け渡しの重要性を改めて印象付けるものだが、一方で、各国の宅配便のサービス品質の違いからくる傾向もあり、日本消費者の回答をみると、「配送時に商品が破損する可能性があること」という理由は上位5位に入っていない状況。これは高度に発達した日本の宅配便の配送・サービスレベルの高さなどを背景としたもののようだ。

 このほかに6カ国でほぼ共通してみられたのは、商品購入時におけるカード番号などの個人情報の送信への不安。日本消費者については、商品の返品や交換、問い合わせやトラブル対応など、商品購入後のEC事業者のカスタマーサポート体制を不安理由に挙げる傾向が見られた。(おわり)

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