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高島屋のネット戦略、次の一手「"衣食住"を柱事業に育成」

2012年 7月19日 11:58

3men.JPG 高島屋は、ネット販売の強化に向けてファッション分野のテコ入れを図り、「衣・食・住」それぞれをネット上でも柱事業として確立する。

 本紙でも既報(1372号)の通り、高島屋は6月下旬にファッションEC専業のセレクトスクエアと業務資本提携を結び子会社化したことで、「高島屋オンラインストア」では取り扱いのないセレクトショップの商材を補完するとともに、セレクトスクエアのサイト運営ノウハウなどを吸収し、百貨店として初めて衣料品ECで勝ちパターンを作りたい意向だ。

 これまで、百貨店業界では衣料品のネット販売で大きな売り上げを確保している企業はなく、高島屋も2012年2月期のネット売り上げ(45億円)の大半が食料品とギフトで、衣料品の比率は1割に満たない。

 同じく強化分野の化粧品ではすでに、横浜店をメーンとした大型店舗の在庫と連動した事業モデルを展開し、百貨店の化粧品ネット販売では最大級の品ぞろえを整えている。ただ、ファッション分野となると、百貨店店頭は小ロット多品種型なのに対し、ネット販売で売り上げをとるには1品番当たりの奥行きが不可欠で、化粧品と同じモデルは成り立ちにくい。
 そこで、高島屋ではセレクトスクエアのサイト構成や商品の見せ方といったフロント部分や商品調達面に加え、フルフィルメントなどバックヤード業務のノウハウを吸収。これを百貨店のファッションECにも移植して他社との差別化を図る。

 実店舗では、玉川店や柏店が百貨店ゾーンと専門店ゾーンを併設してファンの獲得に成功している。こうした複合型のビジネスモデルをネット上でも構築したい意向で、これまでは単独での事業拡大を模索してきたが、今後はセレクトスクエアと連携して事業モデルを組み立てる。

 具体的な取り組みはこれからだが、今後、両社のサイトにリンクを貼るなどして相互送客を図り、将来的にはサイト統合の可能性も視野に入れる。

 高島屋では、14年2月期にネット売り上げ100億円を目標に掲げており、今回の提携で衣料品の強化を加速する。
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