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菊正宗酒造 米原料の健食が好調、化粧品もネット販売に注力

2012年 3月30日 13:30

031.jpg菊正宗酒造が2010年から通販限定で販売している、乳酸菌を配合した健康食品「米のしずく」が順調に売り上げを伸ばしている。女性週刊誌に記事広告を掲載しているほか、新聞広告や折込チラシなども活用しており、CPOは当初見込み以上の数値が出ている。特に雑誌広告の定期購入への引き上げ率や継続率は予想を上回る結果だ。発売2年目の売上高は初年度の3倍に達する見込み。これまで販売してきたドリンクタイプに加えて、2月にはタブレットタイプも発売。今後はネット販売も強化する方針だ。

 「酒蔵の乳酸菌 米のしずく」は、酒造りで培った発酵技術を応用した健康食品。米を原料とし、アトピー性皮膚炎の抑制や肌の調子を整える効果があるとされる「LK―117」を用いた米乳酸発酵食品となる。近畿経済産業局が実施した「地域資源活用型研究開発事業」の研究成果を元に製品化したもので、産官学共同のプロジェクトだ。

 発売は10年4月だが、「安定した注文が期待できる広告のクリエイティブを見つけるまで半年間かかった」(事業開発部)という。商品開発に携わった神戸大学教授の写真を前面に出したもので、「肌の刺激に敏感な人に飲み続けて欲しい」というコメントに説得力が生まれたことが大きいようだ。産官学共同プロジェクトということもあり、「エビデンス(科学的根拠)には自信がある」(事業開発部)という。

 特に雑誌広告は引き上げ率や継続率が好調に推移している。女性週刊誌では顧客の声を活かした記事広告を展開。さらには、医療系フリーマガジンにも出稿している。アトピーになるメカニズムや改善するメカニズムを紹介した記事は、特に反響が大きかったという。

 今後はドリンクタイプ(30日分で税込9000円)とタブレットタイプ(同6000円)を並行して販売する。4月からはネット販売にも力を入れる。すでにアフィリエイトやSEO対策も開始。販路を広げることで、3年後の売上高1億円、5年後の売上高3億円という当初目標を達成したい考えだ。

 一方、昨年9月には「酒滴女子(しゅてきじょし)」シリーズで化粧品事業にも参入。大手酒造メーカーとしては後発となるが、日本酒のコメ発酵液や酒粕エキスを配合した低価格帯商品を中心に、他メーカーが未着手のドラックストアなど店販ルートを開拓している。

 店販のほか、同社の通販サイトでの販売も行っているが、「今後は『米のしずく』と同様に、4月からアフィリエイトなどネット販売での展開に力を入れていく方針」(事業開発部)としている。
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