食品や飲料、日用雑貨などのECを手がける子会社・爽快ドラッグのノウハウを活かし、中国およびインドネシアで日用品のECを始めると発表した住友商事。海外EC事業の概要や今後の展開などについて、同社のモバイル&インターネット事業部の巽達志部長代理に聞いた。(聞き手は本紙編集次長・後藤浩)
中国、インドネシアでEC、爽快ドラッグのノウハウ活用へ――中国とインドネシアで日用品のネット販売を始めるが、いつ頃から海外展開を考えていたのか。
「私が爽快ドラッグの社長をしていた4年ほど前に海外事業を検討しようという話が出たことはあったが、なかなか着手できないでいた。その後、住友商事として海外市場を考えていかなければならないという方向性になり、2年ほど前から具体的な検討を進めてきた」
――中国では4月から事業を始めるが、どのような商品を扱うのか。
「現地の商品も扱うが、日本の商品を増やしていこうと考えている。カテゴリーとしては爽快ドラッグに近い形になると思う。当然、中国と日本では消費者の嗜好は異なるため、調査しながら現地ニーズに対応していくことになるが、まず、化粧品や食品、日用品、ベビー用品などを中心にしながら商品を拡充していくことになる。シンガポールも、品ぞろえはほぼ同じ形になるだろう」
――
スタート時の取扱商品数は。 「中国は、4月のオープン時で数千アイテムを予定している。まず商品をある程度絞りテストオペレーションをした上で本格的な展開に移行するつもりだ」
――
類似商品を扱うケンコーコムでは、中国企業と組んで店舗への卸やECを行う計画だが、御社では現地企業との連携は考えなかったのか。 「当社でも現地企業との連携を検討したが、交渉に時間が掛かる懸念もあった。早期に中国市場に参入することを考え、独資100%の現地法人を設けて、事業を始めることにした。ただ、現地企業との連携については今でも考えてはいる」
――
中国現地法人の体制は。 「住友商事から駐在員を何人か出し、あとは現地で人材を採用している。爽快ドラッグでオペレーションをしていた担当者と日本人の社長が中国人スタッフをマネジメントする形になる」
――
物流などの体制はどうか。 「中国では住商グローバルロジスティクスが物流倉庫を担当する。今回は上海地域でのスタートになるが、日系通販事業者のバックヤード業務で実績があり、上海に倉庫も持っている。商品配送については、すでに上海に進出している日系の宅配事業者に委託する」
――
中国と日本の消費者では購買行動で異なる点もあると思うが、そのあたりの対応は。 「CSの担当経験がある現地スタッフを中心にローカライズされた仕組みを構築していく。当社が培ってきたものと、中国ならではのものを採り入れながら、現地ニーズに対応するつもりだ」
――
インドネシアの体制については。 「インドネシアについては、今年2月に現地法人を設立したばかり。8月からの事業開始に向け、人材の確保や物流などの体制づくりを検討している段階だ」
――
中国とインドネシアの市場に対する見方は。 「どちらも有望な市場だが、同じ海外事業でも、EC市場のステージが違うため、ビジネスとしてやろうとしていることは、若干違っている」
――
というと。 「中国のEC市場は急成長しており、ある程度の売り上げが見込める。一方、インドネシアのEC市場はまだこれからで、事業が立ち上がるまでに少し時間はかかると思う。だが、インドネシアは人口が約2億4000万人あり、経済の調子もいい。すでに楽天さんが進出するなど動きも出ているが、当社としても早い段階で参入し、ポジションを確立したいと考えている」
――
他の国・地域での展開の計画は。 「日用品ECについては中国とASEANを考えており、他にもいくつか候補は考えている」
――
住友商事では、国内を含めECをどのように位置付けているのか。 「ECというセグメントがこれから伸びることは違いなく、重要な分野だと捉えている。爽快ドラッグを担当するモバイル&インターネット事業部は、もともとIT寄りのユニット。ITを活用したビジネスを考えた時、切り口のひとつにECがあり、爽快ドラッグを始めた。一方、リアル店舗のECが拡大する中、食品スーパーのサミットなどでも、ビジネスにECを取り入れ、インベストメントとしていこうという流れはある」
中国、インドネシアでEC、爽快ドラッグのノウハウ活用へ
――中国とインドネシアで日用品のネット販売を始めるが、いつ頃から海外展開を考えていたのか。
「私が爽快ドラッグの社長をしていた4年ほど前に海外事業を検討しようという話が出たことはあったが、なかなか着手できないでいた。その後、住友商事として海外市場を考えていかなければならないという方向性になり、2年ほど前から具体的な検討を進めてきた」
――中国では4月から事業を始めるが、どのような商品を扱うのか。
「現地の商品も扱うが、日本の商品を増やしていこうと考えている。カテゴリーとしては爽快ドラッグに近い形になると思う。当然、中国と日本では消費者の嗜好は異なるため、調査しながら現地ニーズに対応していくことになるが、まず、化粧品や食品、日用品、ベビー用品などを中心にしながら商品を拡充していくことになる。シンガポールも、品ぞろえはほぼ同じ形になるだろう」
――スタート時の取扱商品数は。
「中国は、4月のオープン時で数千アイテムを予定している。まず商品をある程度絞りテストオペレーションをした上で本格的な展開に移行するつもりだ」
――類似商品を扱うケンコーコムでは、中国企業と組んで店舗への卸やECを行う計画だが、御社では現地企業との連携は考えなかったのか。
「当社でも現地企業との連携を検討したが、交渉に時間が掛かる懸念もあった。早期に中国市場に参入することを考え、独資100%の現地法人を設けて、事業を始めることにした。ただ、現地企業との連携については今でも考えてはいる」
――中国現地法人の体制は。
「住友商事から駐在員を何人か出し、あとは現地で人材を採用している。爽快ドラッグでオペレーションをしていた担当者と日本人の社長が中国人スタッフをマネジメントする形になる」
――物流などの体制はどうか。
「中国では住商グローバルロジスティクスが物流倉庫を担当する。今回は上海地域でのスタートになるが、日系通販事業者のバックヤード業務で実績があり、上海に倉庫も持っている。商品配送については、すでに上海に進出している日系の宅配事業者に委託する」
――中国と日本の消費者では購買行動で異なる点もあると思うが、そのあたりの対応は。
「CSの担当経験がある現地スタッフを中心にローカライズされた仕組みを構築していく。当社が培ってきたものと、中国ならではのものを採り入れながら、現地ニーズに対応するつもりだ」
――インドネシアの体制については。
「インドネシアについては、今年2月に現地法人を設立したばかり。8月からの事業開始に向け、人材の確保や物流などの体制づくりを検討している段階だ」
――中国とインドネシアの市場に対する見方は。
「どちらも有望な市場だが、同じ海外事業でも、EC市場のステージが違うため、ビジネスとしてやろうとしていることは、若干違っている」
――というと。
「中国のEC市場は急成長しており、ある程度の売り上げが見込める。一方、インドネシアのEC市場はまだこれからで、事業が立ち上がるまでに少し時間はかかると思う。だが、インドネシアは人口が約2億4000万人あり、経済の調子もいい。すでに楽天さんが進出するなど動きも出ているが、当社としても早い段階で参入し、ポジションを確立したいと考えている」
――他の国・地域での展開の計画は。
「日用品ECについては中国とASEANを考えており、他にもいくつか候補は考えている」
――住友商事では、国内を含めECをどのように位置付けているのか。
「ECというセグメントがこれから伸びることは違いなく、重要な分野だと捉えている。爽快ドラッグを担当するモバイル&インターネット事業部は、もともとIT寄りのユニット。ITを活用したビジネスを考えた時、切り口のひとつにECがあり、爽快ドラッグを始めた。一方、リアル店舗のECが拡大する中、食品スーパーのサミットなどでも、ビジネスにECを取り入れ、インベストメントとしていこうという流れはある」