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eビジ連応募見送り
経済産業省は、「震災復興のための越境EC支援事業」で被災地の事業者や被災地関連商品を扱う事業者の海外向け仮想モールへの出店などを支援する採択事業者(支援事業者)に、一般社団法人E―Commerce Asia Association(ECAA)と日本通運(日通)を選定した。当初、楽天やヤフーなど有力仮想モール運営事業者が加盟し、支援事業者の有力候補と見られていたeビジネス推進連合会は、応募を見送っている。
経産省はこの越境EC支援事業の展開にあたり、平成23年度第3次補正予算で1億5000万円の予算を確保。被災地に所在、または被災地関連商品を扱う支援希望事業者を対象に、海外向け仮想モールの出店手数料など初期費用の2分の1、月額のランニング費用の2分の1(被災地所在事業者のみ)を補助する。
一方、支援事業者は、海外向け仮想モールへの出店やサイト構築、翻訳、プロモーションなど実務的な部分で支援希望事業者のサポートを担い、3月下旬頃から支援事業者の募集を始める。
出店予定の仮想モールは、欧米向けの「eBay」「J―Shoppers」、中国向けの「タオバオ」「バイジェイ」、「Yahoo!台湾」「PChome Store」で、ECAAが欧米および中国向け仮想モール、日通が台湾向け仮想モールへの出店支援を担当。出店支援の事業者数は欧米向けおよび中国向け仮想モールが各70社程度、台湾向けが60社程度になる。
経産省では、この支援事業で収集した成功事例の情報をネットやセミナーなどを通じて告知し、国内事業者の越境EC普及に役立てることを構想する。
今回の越境EC支援事業の補助事業者には、10弱の企業・団体が応募。過去の実績や事業計画などを検討し、ECAAと日通を支援事業者に選定したが、有力候補と見られていたeビジネス推進連合会からの応募はなかったという。
この理由について、一部の関係者からは、「会員同士の利害関係が生じるため意見の調整がつかなかったのではないか」「もともと"行政に対してモノを言う団体"という性格があり、国の事業に参画することに反対意見があったのではないか」との見方も出ている。経産省でもeビジネス連合会と接触していたようだが、同連合会によると、経産省の話があってから意思決定までの時間が短く、幹事会社の社長交代などで「幹事会で意見をまとめることができなかった」(事務局)ため、応募を見送ったとしている。