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物流政策対話には、日本側から物流や通関などに関連する経産省および国交省、財務省の幹部・担当者、中国側は「国家発展と改革委員会経済貿易司」や「交通運輸部企画研究院」「商務部」などの幹部・担当者が出席。
会合は、各テーマに沿って日中両国の関係省庁や団体、事業者が説明し、それに対する意見交換を行う形で進められ、「物流業の発展状況」では、国交省の日本の物流業の現状に関する説明の後、日本通運が自社の国際物流サービス、セブン―イレブン・ジャパンが野菜のコールドチェーンに関する取り組みを紹介。
中国からは、物流業の発展政策や、都市配送システムの促進政策などについて説明があり、この中で、道路通行料や税負担などの軽減、中小事業者への融資促進など、制度改革を通じた物流業の高コスト構造の改善や最新技術の導入による効率化が必要との見方を示し、日本側が持つ高度な物流ノウハウへの期待感をうかがわせた。
「国家物流システムの標準化およびグリーン化」で、パレットの標準化やリターナブル資材の利用促進などで意見を交換した後、「日中両国における物流円滑化」で、経産省情報経済課の吉川憲明課長補佐が「電子商取引に関する物流上の課題」として講演。
今年6月に公表した2010年度の日米中の越境EC調査をもとに、日中間における越境EC市場の現状などについて説明し、中国消費者の越境ECの利用意向は多く、今後成長が見込まれるとする一方、実際の利用で物流関連のトラブルが多いことに触れ、中国国内の物流品質や通関・検疫手続に課題があると指摘。解決策として、中国国内の物流事業者育成や外資系物流事業者の参入・協業による物流品質の向上、通関・検疫に関する基準や手続の整備・統一化、一元的な情報提供・相談窓口の設置を求めた。
経産省情報経済課の説明に対し、中国側からは意見や質問は出なかったが、中国側でも通販関連した物流の問題に意識があると見られ、中国の都市配送システムに関する説明で商務部流通発展司の鄭厚斌調研員は、通販の利用拡大に伴い、消費者が商品到着までのリードタイム短縮を望んでいると指摘。また、中国の小口貨物便事業者などで構成される「中国速達協会」でも、「速達とオンラインショッピング専門委員会」を設ける予定であるとした。
今回の物流政策対話では、日中間でパレットなど物流資材の再利用に関するワーキンググループを立ち上げることで合意。日本企業が中国で通販事業を行う際、現地の物流・配送体制がネックになることが多いだけに、より幅広い分野での中国側の対応改善が望まれるところだ。