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SGL 中国の宅配便展開を拡大、広州進出し通販需要取り込みへ

2011年11月25日 10:50

071.jpg佐川グローバルロジスティクス(SGL)は、中国の宅配便事業展開エリアを拡大する。現地のネット販売市場の拡大を睨んだもので、宅配便事業を手掛ける現地子会社・上海大衆佐川急便物流有限公司(同・上海市普陀区、伊藤耕一薫事・総経理)が広東省広州市に拠点を新設。広州市および隣接する佛山市エリアで宅配便事業を開始した。一大市場となる広州市とその周辺地域でいち早く質の高いデリバリー機能を提供することにより、中国や日本の通販・ネット販売事業者の取り込みを図る。

  広州市は、中国華南地区に所在する、人口1000万人超の中国5大国家中心都市のひとつ。中国GDPの12%を占める一大地域経済圏で、現地消費者の所得水準は上海市とほぼ同じで、「買い物好き」(伊藤耕一上海大衆佐川急便総経理)だという。

 今回の広州・佛山エリアでの宅配便事業展開は、荷主企業である現地テレビ通販事業者から要望があったことをきっかけとしたもので、SGLでは10月からトライアルを実施。この結果を踏まえ、上海大衆佐川急便物流の支店となる「広州分公司」を設けることにした。

 広州分公司は11月21日から営業を開始。従業員数30人、車両台数13台で事業を行う。集配は、午前8時から午後6時まで受け付け、広州市内であれば、翌日に荷物が届くという。また、休日配達に対応するほか、地域限定での時間帯指定配達、「銀聯カード」による代引き決済などのサービスも提供する。

 中国での通販の展開は商品配送や決済が重要になるが、SGLによると、ネット販売の利用拡大に伴い、配送品質や顧客対応などに対する中国消費者の要求が厳しくなっているという。

 このため、SGLでも、ドライバーのサービスマナー教育に注力しており、広州での事業展開でも、接客面での差別化を推進。これにより荷主企業のリピート購入を促し、「消費者からも荷主からも選ばれる」(伊藤総経理)ようにする考えだ。

 また、決済手段は代引きがメーンで、上海での展開では、全体の9割が代引き。独自サービスとして展開する「銀聯カード」(ビッドカード)の代引きが全体の半数にのぼるなど、現地消費者の利用ニーズが高いようだ。

 上海の宅配便事業では、通販関連の荷主が中国企業を中心に約20社。1日に扱う荷物の数は、1万~1万5000個になるという。広州での宅配便事業は、5社の利用が決まっており、うち3社は現地の通販事業者。来年度下期には取り扱い荷物を1日1500個とする計画だ。

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