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オルビス ウェブマーケティングの新組織、獲得から育成まで一貫フォロー

2011年 9月29日 10:21

021.jpgオルビスがウェブマーケティングを強化している。今年7月の組織変更で「マーケティング推進部」を新設。人員も大幅に増やした。ネット上の新規獲得からフォローまで一貫して行えるようウェブマーケティングをマーケティング活動の大きな柱にしていく。

  オルビスではこれまで、新規獲得の戦略を「マーケティング戦略部」が担い、既存客のフォローは紙媒体をベースとする「カタログコミュニケーション部」と、ネット中心の「デジタルコミュニケーション部」が行ってきた。ただ、「デジタルコミュニケーション部」はショッピングサイトのユーザビリティ向上など、ECサイトの運営管理、利便性の向上を図ることが主な役割となっていた。

 新たに設置した「マーケティング推進部」は、「デジタルコミュニケーション部」と「マーケティング戦略部」を統合・再編したもの。人員は「カタログコミュニケーション部」の約2倍。背景には、受注チャネルとしてネットの重要性が日増しに高まっていることがある。

 オルビスのネット受注の比率は40~50%。月次で変動の幅があるものの、ネットの技術革新に伴う新たな新規獲得手法が確立されてきたほか、コスト効率の点からも新規獲得に対するネットの依存度は高まっている。

 一方で既存客フォローは、会報誌など旧来からの紙媒体がベースとなっている部分があり、「あくまで例えだが、『ネットリテラシーが高い方にもかかわらず、一方で分厚いカタログが送られてくる』なんて人もいた」(同社)という。依然として紙媒体の重要性は認識しつつも、ネットユーザーに対するフォ
ロー施策の充実は課題となっていた。

 また、最近では、SNSの普及などでくちコミ評価の重要性が高まり、企業側のネットを通じた情報発信力も高まっている。くちコミが製品購入の重要な判断基準となる中、1年ほど前からはサイト内のくちコミ評価を増やす取り組みも行い、これまで約2万件蓄積している。

 紙媒体をベースとした従来型のコミュニケーションは、顧客セグメントの管理をはじめ、いかにコストを抑え効率よくフォローを行うか、スケールメリットを活かす部分がある。一方でネットはコストが安く、あらゆる施策を展開できるメリットがある。顧客の購買行動をネットと紙媒体に切り分けるのは難しい。だが、ネット上の施策が導線となって顧客となった後、コミュニケーションまで一貫してネットで完結する顧客が増える中、ネットで獲得した顧客をどう育成していくかは各社共通の課題となっている。

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