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TBSディグネット、上海のテレビ通販企業との取引支援サービス開始

2011年 8月25日 11:42

 「リスクなく中国でテレビ通販をしませんか?」。TBSディグネット(TBSD=本社・東京都港区、木原毅社長)は8月から、中国大手のテレビ通販である「東方CJ」で商品を販売したい日本の事業者を支援する中国テレビ通販参入代行支援サービスを開始した。

 中国のテレビ通販市場規模はすでに3000億円程度に達していると見られる成長市場で富裕層を中心に日本製品の需要も高いようだ。ただ、日本企業が当該ルートで商品を販売するまでには言葉や商習慣の違い、複雑な輸出入手続き、不安な代金回収など、ハードルは高く実際に取引開始まで漕ぎ着けられる事業者は少数にとどまっていたようだ。

 TBSDは商品企画書の中国語翻訳から中国のテレビ通販側への商品提案代行のほか、本来は「委託型」であり、売れ残れば返品される取引形態をTBSDが間に入ることで、商品は売れ残っても返品されない「買取型」とするなど、参入障壁となっていた部分を解消するサービスを始めた。日本の事業者にとってリスクの少ない形で中国のテレビ通販ルートで商売できる環境を整え、取引社数を拡大。手数料収入拡大を狙う。

 TBSDが開始したのは中国で通販専門チャンネルを放送する「東方CJ」への出品支援事業で日本の小売業者やメーカーを対象としたもの。「東方CJ」自体は南京や杭州など中国各地で放送しているが、今回は上海地区で約300万世帯に放送されている番組のみ。中心視聴層は40代以上の女性で番組構成は司会者とメーカー担当者などのプレゼンターが商品を紹介する日本の通販専門チャンネルのスタイルに近いという。なお、1商品あたりの紹介時間は20~30分のようだ。

 TBSDによると、中国国内では富裕層を中心に日本商品の人気は高く、「東方CJ」の通販番組でもニーズは高いようだが、言語や商習慣の違いや仕入価格の交渉のほか、基本は委託販売のため、売れ残り分は返品されることになるが、その際の関税や輸送費などのコスト負担が大きなネックとなり、現地法人を持つ日系企業など限られた事業者しか実取引を行っていない状況だったようだ。

 TBSDはこうしたネックを解消するため、各種手続きの代行事業を開始。日本語で書かれた商品企画書の中国語翻訳や当該企画書を基にした東方CJ側への商品プレゼンや価格交渉。実際に商品採用が決定した場合は、本来であれば委託販売となる取引形態をTBSD側で商品を買い取ることで、日本の事業者側に生じる返品に伴うリスクを解消する。

 具体的にTBSDが日本の事業者に徴収する費用は「初期登録費」として3万円。このほか、東方CJ側に提出する商品企画書の翻訳、中国人スタッフを使ったプレゼン代行費で10万円(※不採用時には初回取引のみ3万円返金)を徴収する。このほか、直接、東方CJに商品提案を行いたい事業者にも対応。オプション費として10万円を徴収し、スタッフを同行させる。

 プレゼンで採用された際の商品の買取りについてはTBSD指定の上海の倉庫に納品し、協力会社が検品後、45日以内に日本円で支払う。買い取り金額は東方CJへの卸売価格と輸出入や為替にかかる費用に手数料(取引総額の15%)を徴収する。初回ロットは500~1000個が目安のようだ。

 なお、買取商品はテレビ通販で売り切れなかった場合は東方CJのカタログや通販サイトで販売されたり、TBSDの協力企業を通じて、店舗流通で販売される可能性もあるようだ。

 TBSDによると、サービス開始後は比較的、小規模な事業者などからの問合せが多く、反響は良いようだ。なお、東方CJで特に求められている商材は「美顔器などの美容関連商品や衣料品は人気が高く、中国でも成功するはず」(同社)としている。
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