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有力店舗企業のネット販売戦略の行方、ベイクルーズ、サイトのファン創出へ

2011年 7月 7日 13:29

9月に刷新・スマホ用アプリ

衣料品の製造・販売などを手がけるベイクルーズ(本社・東京都渋谷区、窪田祐社長)は「ジャーナルスタンダード」や「イエナ」など衣料品を中心に約30のブランドを展開する。ネット販売では「ゾゾタウン」「セレクトスクエア」「アイルミネ」など複数のファッション通販サイトに出店する一方で、自社通販サイト「スタイルクルーズ」を運営。同サイトは2007年4月の開設以来順調に拡大しており、直近の1年間の売り上げは12億円という。
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 「スタイルクルーズ」は、ベイクルーズブランドをすべて取りそろえるサイトとして展開。アイテム数は7000~8000品番を取り扱っており、顧客層は20~30歳代が80%強を占める。客単価は1万5000円程度と比較的高めだ。

 集客策としては、バナー広告やリスティング、アフィリエイトといったウェブ広告のほか、ツイッターやフェイスブックページなどSNSからの誘導も行っている。

 全国に200店舗近く展開している実店舗の顧客にも「スタイルクルーズ」を告知し集客につなげており、さらに実店舗との連携面では、ポイントや商品在庫の連動についても現在検討中としている。

 また、サイトに掲載する画像は物流倉庫に併設した撮影ブースで撮影している。ユーザーが商品をイメージしやすいという考えからモデルに服を試着させ、"顔切り"で使用。こうした作業を内製化することで、サイトでの「見せ方」のノウハウを蓄積する狙いがあるようだ。

 もっとも、今後の自社通販サイト運営では懸念材料もあり、他サイトとのサービス競争、あるいはSNSなど増え続けるコンタクトポイントへの対応、セキュリティー対策など取り組むべき点は多い。

 実際、複数のファッション通販サイトに出店しているため、「スタイルクルーズ」で商品を購入するユーザーを獲得するのは容易ではない。そうした状況下、「(ポイントなどの)インセンティブ競争以外のところ」(同社)で、サイトのファンを創出するのが今後の課題だ。

 そのため、今年9月にはPCサイトのリニューアルを実施。並行してスマートフォンへの対応にも注力する。現在、スマホ経由の購買が全体の10%程度であることから、まずは9月にiPhone用アプリを提供し、状況を見てAndroid用アプリの投入も検討する。その後、スマホ向けにサイトの最適化も行う方針だ。

 こうしたサイトの使い勝手向上の取り組みでユーザーを獲得し、2年後までに「スタイルクルーズ」として売上高20億円を目指していく。


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