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薄れる「安売り」の優位性

2024年10月10日 15:34

ひと昔前のECといえば、並行輸入のブランド品や、いわゆる「バッタ屋」が扱う出所不明の家電などが、市場価格よりも安く買えるのが魅力の一つでもあった。

だが、現在は様変りしている。並行輸入品の場合、円安が価格面での優位性を失わせるとともに、メーカーがECに積極的になっている点も大きい。「楽天市場」などで並行輸入のブランド化粧品を扱う店舗は「楽天主導のブランドサイトの影響は大きい」とため息をつく。

「ブランドゲートウェイ」はメーカーが楽天市場内に「自社サイト」を設ける仕組み。楽天関係者は「正規品を扱う店と並行輸入品を扱う店を区別するわけではないが」と前置きしつつも「正規品が売り場の前面に出る流れが強まっているのは間違いない」と話す。

家電においても、家電量販店やメーカーがECを強化。加えてパナソニックなどの「指定価格制度」が浸透、実質的な値下げ防止策により通販サイト間の価格差だけではなく、実店舗の価格差も無くなりつつあり、バッタ屋に代表される安売り店の存在感も薄まっている。

こうした中で事業者は価格以外の切り口を探っている。例えば、地場量販店が祖業のタンタンコーポレーションは「セレクト店」化に活路を見出している。「均一化」が進むときこそ商機がある。
 
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