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世界基準で適正価格の努力を

2019年 4月 4日 13:10

 日本食ブームもあって日本酒は「SAKE」として海外で人気が高まっている。日本では若者や女性の支持率が増加しているものの、清酒の国内販売量は右肩下がりのまま。一方で、頼みの海外向けは9年連続で増加している▼ところが、その日本酒の価格に苦言を呈す人も。日本でビジネスを手がけるある中国人の社長は「日本酒は美味しいがお土産には買って帰らない」ともらす。日本酒は高くても1万円程度の商品が多く、大事な人へのお土産としては安すぎて、「恥ずかしくて買って帰れない」と言う▼とくに中国人はメンツを重視する傾向が強く、「良い物は高い」のが当たり前と考える。松下幸之助の「いいものを、安く、たくさん」という哲学は馴染まないようだ▼そうした中、日本酒のウェブメディアを運営するベンチャー企業のClearがギフト需要を見込んで高価格帯の「プレミアム日本酒」でEC事業を始めた。クラウドファンディングサイトを通じてオリジナルの日本酒を2万円弱で販売したところ、短期間に160人以上がサポートを表明。無事に商品化した▼東京オリンピックが来年に迫る中、政府の音頭もあって訪日外国人旅行者数は増え続けている。「おもてなし」の心は大事だが、職人や企業が良い物を作り続けるためにも、良い物は世界基準の適正価格で販売する努力が必要かもしれない。
 
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