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国(消費者庁)による措置命令20件は、過去10年(公正取引委員会時代の排除命令含む)で3番目に低い水準。09年度の措置命令件数も12件と、前の年の52件を大きく下回る水準だったが、これは09年9月の消費者庁創設とともに、景品表示法が公正取引委員会から同庁に移管された直後で体制が十分に整っていなかったことに起因すると見られる。
各省庁からの寄り合い所帯であることは、今も変わりはないが、時間の経過とともに、部門間の連携強化や運用面でのノウハウ蓄積などが進んできたと見ていいだろう。
10年度に消費者庁が行った措置命令事件について見ると、水産関連や畜産関連食品の原材料産地表示に関するものが多い。これは消費者が食品に対する関心が高いことなどが背景にあるようだが、特に前年度は、ハチミツ製品の原材料表示に関するものが目立っており、消費者庁が兵庫県の製造事業者に措置命令を下したほか、栃木や新潟、岐阜などでも指示を行っている。
また、ネット広告関連の処分も目立ったが、その中で注目されるのは、新たな販売手法に対するものだろう。
今年2月、クーポン共同購入サイトの商品画像と実際の商品の内容が著しく異なるとして、サービス利用事業者の外食文化研究所に措置命令を出すとともに、運営事業者のグルーポン・ジャパンにも、景表法違反を倦起しないようなサイト運営を要請。また、3月には、多額の入札手数料が必要になるにも関わらず、著しく安い価格で商品を落札できるかのような表示を行っていたペニーオークションサイト運営事業者3社に措置命令を出している。
今後も、ネットを活用した新たな販売手法が出てくると見られるが、新サービスを提供する事業者およびサービス利用事業者は、広告表示への注意が必要になりそうだ。
一方、都道府県についてみると、10年度中に指示などの法的措置を行ったのは15都道府県。うち増加が10都道府県、増減なしが5県(他に減少が4県※10年度は執行なし)で、東京都の12件(前年比増減なし)が最も多く、これに栃木の6件(同5件増)、新潟の3件(同3件増)が続いた。
10年度の都道府県による法的措置の件数は、過去10年を遡っても最多の水準。地方でも消費者庁創設とともに体制整備が進み、法執行のノウハウも積みつつあると見られ、さらに広告表示の監視を強化してくる可能性がありそうだ。