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2024年 3月22日 12:00
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初会合で、中川丈久座長は検討のポイントに、(1)機能性関与成分の審査手法、(2)製造プロセスにおける管理のあり方、(3)健康被害情報の収集体制の工夫――をあげた。
厚生労働省による総点検では、小林製薬製造の原料の卸先・入手先計225社は、回収を命じた3製品と同量(100ミリグラム)以上の製品がなかった。「3製品以外問題なければ、これに焦点を絞る」(厚労官僚)と、小林製薬固有の問題の可能性を示す。
初会合では、制度の運用状況の説明とフリーディスカッションが行われた。情報収集体制に、委員からは、「いつ(何日間)、どの程度の被害(重篤度)が起きた際に何をするかがない」、「米国では医師や企業だけでなく、消費者から収集する仕組みがある」など、ルール化を求める意見が聞かれた。
食品全般の被害報告は、食品衛生法にひもづく省令に規定され、保健所に報告する。ただ、努力義務。所掌を厚労省が担う。機能性表示食品は、食品表示法に基づく届出ガイドラインで、消費者庁や保健所に直接報告を求めるが法律上の義務はない。初会合では、法改正に踏み込むことを求める意見はなかった。
製造工程の管理は、「水準を高める必要がある」、小林製薬の管理にも「異常検知システムが機能していないのでは」との意見が聞かれた。食品全般は、製造管理等の基準であるHACCPが義務化され、健食は、任意でGMPで管理する。
ただ、GMPは、錠剤・カプセル状の食品が対象。事後検証を念頭に置く基準で、予防策は難しい。義務化すれば、影響も食品全般に及ぶ。GMPが義務づけられる「指定成分含有食品制度」も食材単位の指定で、着色目的など微量の配合も規制され、「量」の概念はない。検討会では、「厳しくすると、『いわゆる健康食品』など無規制に流れ野放しになる。機能性表示食品にルールを求めるのは大切だが、行政への報告が早く対応できるものでもある」、「制度は性善説に立つ」など、規制強化に対する慎重論もあった。
日本の健康食品行政は、形状規制(現在は撤廃)から一般食品を含め機能性のある食品を広げてきた。業界関係者からは「サプリメント法が必要」という意見もある。政府は、「情報収集体制」と「国の関与のあり方」の見直しを指示している。検討会は、庁内の検討の補強、結論の加速化を目的にする。