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好調ネット販売企業の研究 アイエストレーディング、売上高19%増の37億円

2010年11月11日 13:42

 3-2.jpg衣料品やブランド雑貨をネット販売するアイエストレーディング(本社・東京都渋谷区、魚住和泉社長)が順調に売り上げを伸ばしている。直近決算である2010年8月期売上高は37億円と前期比で19・3%の増収と順調に推移している。好調要因はシーズンを前倒しして提案したブーツのヒットで、これによりモバイル通販売上比率が25%まで上昇。今期は売上高も同21・6%増の45億円を計画する。

  「12月の受注ピークを迎える前に、11月でオリジナルのムートンブーツは完売する見通し」と魚住社長は語る。同社では自社開発のムートンブーツの取り扱いをゴールデンウイーク後から開始し、8月までに数万足を販売。今シーズンまでに17万足を販売する計画だ。
 
 ムートンブーツはもともと、モバイル通販の強化を目的に投入された戦略商品だった。主力のブランド雑貨と比べてファッションは検索性が低く、衝動買いを誘発しやすいと分析。PCでは開拓できなかった新規客層をモバイル通販で開拓する狙いがあった。
 
 ムートンブーツはモバイル通販に合わせた価格帯を設定するため、徹底したコストカットを実施。ブーツの開発にあたり中国との直接取引を行い、中間業者に支払うマージンをカット。工場にとって閑散期である春から夏にかけて製造ラインを稼働させ、自社で検品するなどし、780円と980円の低価格に設定した。
 
 また、直接取引によりムートンブーツの品質が向上。ブーツの返品率は0・2%と、前の期と比べて大きく改善することができた。「何十回と現地工場に訪問し、細かなクオリティーチェックを実施したことが良かった」(魚住社長)とした。
 
 ブーツのヒットはモバイル通販比率の向上に寄与。モバイル通販比率は25%まで高まり、前の期と比べて10ポイント上昇。これまで開拓できなかった20代前半の新規客層の開拓にも寄与し、メルマガ会員数は「目標とする50万人達成までもうすぐ」(同)となった。
 
 利益面については粗利益率は通常の25%以上30%未満を維持。「コストを抑制した商品開発で調整したことが奏功した」(同)とする。
 
 モバイル通販は今期中をメドに月商1億円を目指す。将来的には売上比率を4割まで高めたい考えで、今期はファッションカテゴリーの品ぞろえを強化。「回遊性を高め、既存客を活性化する」(魚住社長)考えだ。
 
 前期好調だったムートンブーツは今期も取り扱う方針で、2月から製造を開始するという。品質を重視した前期から進化させ、防水や防臭加工のほか、インソールなどの付加価値を提案していく。
 
 また新たにレインブーツの品ぞろえを強化。今年2月に発売したメンズビジネスシューズが3000足を販売したことで需要があると判断。製造工場を中国に切り替え、最も安価なもので1280円の低価格帯で販売。ブランドアイテムの取り扱いも決まっており、レインブーツは通期で13万足を販売する計画だ。

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