有力通販企業の研究・ドクターシーラボ(上)――通販売上高、3割増と快進撃
2010年7月期の通販事業売上高は前年比30・2%増の181億6700万円と依然、快進撃が続くドクターシーラボ。同社が2013年を最終年度とする新たな中期経営計画(中計)を発表した。
中計によると2013年7月期の売上高目標は470億円と現状より150億円の積み増しを計画する。中計達成のカギとなるのが主力の通販事業の成長だ。ちなみに中計最終年度の通販売上高目標は271億8000万円と前期比で約90億円の増加となっている。同社の中計について通販事業を中心に見ていく。
まず、現状の業績を確認していきたい。9月9日発表の2010年7月期決算の売上高は前年比22・7%増の317億8900万円。内訳は「通販」が同30・2%増の181億6700万円、「対面販売」が同5・8%増の44億3100万円。「卸販売」は同18・5%増の84億2000万円。「海外事業」は同18・4%増の7億6900万円。なお、通販売上高に占めるネット販売売上高比率は36・6%で売上額は約66億4900万円(モバイル売上高は約19億4300万円)。
増収効果と通販の売上拡大による人件費圧縮、会報誌やDMの発送部数の削減などで営業利益は同54・9%増の83億7000万円、経常利益は同55・4%増の83億7600万円、当期純利益は同54・2%増の46億9900万円だった。全体の増収の主因は主力の通販事業の3割を超える成長にある。
当期の通販事業は一定期間内に定期的に商品を配送する「定期配送」の対象商品拡充や毎月送付する会報誌を既存の「シーラバー」とは別にシニア層向けや20代向けに3誌体制としたことによるリピート購入率アップ。
また、前年の戦略に引き続き、40歳以上をコアターゲットとした新規顧客開拓策を展開したことも奏功したようだ。全国紙での新聞広告は年間約7億円の予算を使い、出稿。また、BS、CS局での3~4分の短尺インフォマーシャル(テレビ通販)は年間約6億円を投じて、「アクアコラーゲンゲルエンリッチリフトEX」「BBパーフェクトクリーム」「アクアインダーム」など売れ筋商品の初回購入を促した。これとは別に15秒のテレビCMも年間3・5億円をかけて放映。主に「エンリッチリフトEX」を告知して、40代を中心とした顧客開拓を進めた。この結果、今年7月末で通販登録会員数は662万人と前年比で116万人の純増となり、広告で訴求した売れ筋商品を中心に売り上げを伸ばした。
こうした施策に加えて、40代以上の顧客開拓を意識したことで結果として、50代以上の可処分所得の高いシニア層の取り込みに成功。化粧品のみならず、「コラーゲンドリンク」や「青汁」など当該層に親和性の高い健食が売れるようになり、これらを踏まえ、ラジオ通販を開始して健食を拡販。この結果、期末の健食の売上高は前年比114・8%増の10億7600万円(ほとんどが通販)と大きく売り上げを伸ばし、通販全体の増収に貢献したようだ。
今期も強気の姿勢は崩さない。今期の通販売上高は205億円を予想。発表した中計では来々期には271億8000万円まで通販売上高を拡大させる計画だ。(つづく)
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中計によると2013年7月期の売上高目標は470億円と現状より150億円の積み増しを計画する。中計達成のカギとなるのが主力の通販事業の成長だ。ちなみに中計最終年度の通販売上高目標は271億8000万円と前期比で約90億円の増加となっている。同社の中計について通販事業を中心に見ていく。
まず、現状の業績を確認していきたい。9月9日発表の2010年7月期決算の売上高は前年比22・7%増の317億8900万円。内訳は「通販」が同30・2%増の181億6700万円、「対面販売」が同5・8%増の44億3100万円。「卸販売」は同18・5%増の84億2000万円。「海外事業」は同18・4%増の7億6900万円。なお、通販売上高に占めるネット販売売上高比率は36・6%で売上額は約66億4900万円(モバイル売上高は約19億4300万円)。
増収効果と通販の売上拡大による人件費圧縮、会報誌やDMの発送部数の削減などで営業利益は同54・9%増の83億7000万円、経常利益は同55・4%増の83億7600万円、当期純利益は同54・2%増の46億9900万円だった。全体の増収の主因は主力の通販事業の3割を超える成長にある。
当期の通販事業は一定期間内に定期的に商品を配送する「定期配送」の対象商品拡充や毎月送付する会報誌を既存の「シーラバー」とは別にシニア層向けや20代向けに3誌体制としたことによるリピート購入率アップ。
また、前年の戦略に引き続き、40歳以上をコアターゲットとした新規顧客開拓策を展開したことも奏功したようだ。全国紙での新聞広告は年間約7億円の予算を使い、出稿。また、BS、CS局での3~4分の短尺インフォマーシャル(テレビ通販)は年間約6億円を投じて、「アクアコラーゲンゲルエンリッチリフトEX」「BBパーフェクトクリーム」「アクアインダーム」など売れ筋商品の初回購入を促した。これとは別に15秒のテレビCMも年間3・5億円をかけて放映。主に「エンリッチリフトEX」を告知して、40代を中心とした顧客開拓を進めた。この結果、今年7月末で通販登録会員数は662万人と前年比で116万人の純増となり、広告で訴求した売れ筋商品を中心に売り上げを伸ばした。
こうした施策に加えて、40代以上の顧客開拓を意識したことで結果として、50代以上の可処分所得の高いシニア層の取り込みに成功。化粧品のみならず、「コラーゲンドリンク」や「青汁」など当該層に親和性の高い健食が売れるようになり、これらを踏まえ、ラジオ通販を開始して健食を拡販。この結果、期末の健食の売上高は前年比114・8%増の10億7600万円(ほとんどが通販)と大きく売り上げを伸ばし、通販全体の増収に貢献したようだ。
今期も強気の姿勢は崩さない。今期の通販売上高は205億円を予想。発表した中計では来々期には271億8000万円まで通販売上高を拡大させる計画だ。(つづく)