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最高裁 だいにち堂の上告棄却、不実証広告規制、「表現の自由」侵害せず

2022年 3月23日 11:30

 だいにち堂が景品表示法の処分取消を求めた行政訴訟は3月8日、最高裁がだいにち堂の上告を棄却した。上告審では、景表法の不実証広告規制の規定が憲法第21条「表現の自由」等を侵害するかが争われた。最高裁は、5人の裁判官全員一致で合憲との判決を下した。

 
 だいにち堂は、販売する健康食品の広告で「ぼんやり・にごった感じに」などと表示していた。消費者庁は、これら表現を対象に、不実証広告規制(景表法7条2項)に基づき、表示の裏付けとなる根拠の提出を要求。根拠は提出されたものの、合理的な根拠と認めず優良誤認と判断した。

 最高裁でだいにち堂は、「ぼんやり―」等の抽象的な表現に不実証広告規制を適用するのは、「表現の自由」「職業選択の自由」を侵害すると訴えていた。適用範囲は、具体的な効能効果にのみ限定され行われるべきであり、抽象的表現については根拠を示しようがないと主張していた。

 景表法の不実証広告規制(同法7条2項)は、「優良誤認」か否かを判断するため、事業者に表示の裏付けとなる合理的根拠の提出を求めることができる権限を規定。根拠資料の提出しない場合、当該表示を優良誤認とみなすことができると規定する。

 最高裁の渡邉惠理子裁判長は、規制の目的について「優良誤認の要件を満たすことが明らかでないとしても、所定の場合に優良誤認表示とみなし、直ちに措置命令することができるとすることで、自主的・合理的な選択を阻害されないという消費者利益を迅速に保護することを目的とするもの」と説明。

 その上で、同規制の「みなし規定」について、根拠提出がない場合に適用範囲が限定されており、不実証適用による措置命令は、「事業者が改めて合理的な根拠資料を備えた上で同様の表示をすることを何ら制限しない」と指摘。規制の目的は「公共の福祉に合致することは明らか」と判示し、だいにち堂の請求を退けた。

 消費者庁は2017年3月、だいにち堂が販売する健康食品「アスタキサンチン アイ&アイ」の表示が優良誤認にあたるとして、景表法に基づく措置命令を下した。新聞広告で「ぼんやり・にごった感じに」といった表示が、目の症状を改善するかのような誤認を招くと判断。だいにち堂はこれを不服として処分取消しを求め提訴。20年10月に東京高裁が請求を棄却。最高裁に上告していた。
 
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