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9月1日は防災の日。地震対策用品や非常食など、日ごろはあまり意識しない防災関連商品を購入するという人が増える時期だ。
こうした需要を取り込んで売り上げを伸ばしているのが、アイエスアイが運営する防災用品専門サイト「レスキューネット」。特に、昨年は新型インフルエンザの流行もあり、マスクなどの対策用品が良く売れて売り上げは前々年の倍近く伸びたという。サイトを管理する、マーチャンダイジング本部、商品企画チームマーチャンダイザーの千葉健一氏は「すぐにマスクを手に入れたいという顧客が多かったが、他のサイトは在庫切れになることが目立った。当サイトは納期遅延がなかったのが良かったのではないか」と分析する。
アイエスアイの主力事業は、クレジットカードビジネスのコンサルティングだ。レスキューネットを立ち上げたのは2006年のこと。ただ、もともとカード会社のポイント交換用商品の仕入れや配送のほか、メーカーが自社のカード会員向け冊子などで手掛ける通販の下請けを手掛けていたこともあり、自前の配送センターを持っていたという。
レスキューネットのほか、消防関連のアパレルやグッズを販売する「レスキュースクワッド」も運営しており、ポイント関連事業も含めると、通販事業は全売上高のうち約4割を占めるまでに成長している。
防災用品を販売することになった理由について、千葉氏は「ネットでも競合が少なく、業界がやや特殊なためチャンスがありそうだったから」と説明する。防災用品はホームセンターなどに行かなければ手に入らず、重量がある商品が多いため、通販に向いている。さらには誰もが必要な商品であることから、潜在需要が見込めるというわけだ。
千葉氏は防災士という民間の資格を所有していることもあり、顧客からの電話やメールによる問い合わせに対応することがしばしばだという。例えば、地震対策用品に対する質問。家の間取りや周囲の環境などを聞いて、何が必要かを的確にアドバイスする。必ずしもすぐの売り上げにつながるわけではないが、千葉氏は「防災関連の啓発活動も重要なこと」と強調する。
自社サイトのほか、楽天市場、ヤフーショッピングにも出店しているが、法人は自社サイト、個人や仮想モールと顧客層は色分けされている。法人需要に関しては、昨今、大規模な災害時に事業を早期復旧するためのプランであるBCP(事業継続計画)が注目されていることもあり、堅調に推移しているという。
良く売れている商品は非常食関連。乾パンだけではなく、豚汁、肉じゃが、ハンバーグなど、バラエティー豊かな非常食を揃えているのが大きいようだ。また、消防士用の手袋も人気商品のひとつ。消耗品ということもあり、消防士が利用している。
今後は、自社サイトを改良することで、購入率の上昇につなげる。具体的には、個人と法人の入り口を分けることで、LPO(ランディングページの最適化)対策を行う予定だ。また、防災関連用品を初めて購入する顧客に対する、ナビゲーション的なコンテンツの作成も考慮している。