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消費者庁のネット研究会 トラブル類型の整理へ、過度な規制、けん制する動きも

2010年 8月26日 18:24

061.jpg 消費者庁が8月18日に行った「インターネット消費者取引研究会」の初会合では、決済サービスや国境をまたいで行われるネット取引を巡る問題が各委員から提起された。ただ、個別のトラブル事例の関連法規は、特定商取引法や景品表示法など多岐に渡る。争点が広範に渡ることについて消費者庁は「まだ勉強不足な面もあり、各委員の意見を精査して徐々に積み上げる」(政策調整課)としており、研究会がどのような争点を中心に進められていくのか、先行き不透明な船出となった。

  初会合では、消費者庁が音楽配信サイトやオンラインゲーム、出会 い系サイト、仮想モール、ドロップシッピングなど、ネット取引を巡るトラブル事例について示した。

 これに対し、主婦連合会の河村真紀子委員は、「カード会社と契約できない中小の事業者が決済代行業者を利用しており、管理義務を課す必要がある」とし、代行業者を介在した取引がトラブルの温床となっていることを指摘。このほか、各委員からは海外との法規制の違いなど国境をまたぐ取引を巡るトラブルや、個人情報に関するトラブル、青少年や高齢者のネット利用を巡るトラブルなどが課題として示された。

 一方、国民生活センターのPIO―NETに寄せられた「インターネット通販」と「インターネットオークション」に関する相談件数が約13万9000件(09年度)に上ることについては、「確かに多いが、圧倒的多数の取引は健全に行われている」(ECネットワーク・沢田登志子委員)、「ネット取引の発展は消費者利益につながる」(楽天・関聡司委員)、「規制一辺倒ではいけない」(北海道大学大学院・町村泰貴委員)といった意見が寄せられ、行政の過度な規制をけん制する動きが見られた。

 ただ、トラブル類型が多岐に渡るため研究会の方向性を左右する論点について見解の一致は得られず、複数の委員よりトラブル類型を整理することが求められた。
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