前号に続き、auコマース&ライフ(aCL)の八津川博史社長(=
写真)に今後の仮想モール「auPAYマーケット」の方向性などについて聞いた。
◇
――携帯キャリアがネット販売に力を入れる中で、ポイントによる囲い込みも進んでいる。その中でKDDIの強みとは。
「『お得なポイント交換所』におけるポイント50%増量キャンペーンは、非常に特徴的な施策だと思う。また『auスマートパスプレミアム(スマパスプレミアム)』のようなサブスクリプションサービスに、経済圏を挙げて注力しているというのは、他社のポイント経済圏と比べてもかなりユニークなアプローチではないか。また、スマートフォンアプリにも磨きをかけており、当社ならではのこだわりを持って改善していきたい」
――昨年から、KDDIとエブリーが共同運営しているライブコマースサービス「ライブTV」を提供している。コロナ禍で視聴者が増えているのでは。
「視聴者数は右肩上がりで伸びている。1月には、瀬戸内地方で活動するアイドルグループ『STU48』のメンバーがゲスト出演する特別番組を放送したが、若年層の来訪につながる効果があった。今期もプロモーションやブランディングの観点から仕掛けていきたい。また、アイドル関連でいえば、3月からアイドルグループ『乃木坂46』をモールの看板娘として起用しており、幅広い層にモールを知ってもらい、買い物をしてもらうという流れが生まれている」
――新型コロナウイルスの感染が拡大してから、モールではどんな商品が売れているのか。
「週を追うごとにめまぐるしく売れ筋商品が変わっているが、総じていえばマスクや消毒液などの衛生商品は非常に売れている。もう一つは、実店舗に行きづらい状況ということで、米や肉などの食品も好調だ。また、ゲームやボードゲームなどの娯楽関連商品も大きく伸びているし、『コロナ太り』を解消するためのダイエット関連や美容関連も動いている」
――コロナ禍を踏まえての店舗への支援策は。
「コロナ禍からの復興を応援する『復袋』コーナーを作るといった支援は行っている。今後はコロナにより暮らしの形そのものが変わる部分があると思っているので、そういったことを踏まえた企画も店舗と相談しながら作っている最中だ」
――緊急事態宣言解除後の消費動向は。
「5月25日頃からアウトドア関連商品や、レジャー用品が動き始めている。今後は『おうち』と近場での観光やレジャーの『郊外』をかけ合わせた需要が伸びていくのではないかと思っている。また食品のように、これまでネットで買ったことがなかったジャンルの商品を試してみた、というユーザーの母数は増えていると思う。これは一過性の需要ではなく、リピート購入につながっていくのではないか」
――アフターコロナをどうみる。
「リアルにおけるビジネスの形がかなり変わるだろう。全面的にネット販売に置き換わることはないだろうが、オンラインとオフラインの区分なくサービスを使い分けてもらう、という手法が伸びていくのではないか。ネットで提案してから店舗で実物を見てもらったり、最初は店舗で購入してもらい、2回目以降はネットで注文してもらったり、O2OやOMOと呼ばれる領域は間違いなく伸びてくるだろう。こうした提案やトライアルも足元で少しずつ増えている」
「ただ、コロナを踏まえると店舗での提案が難しくなっているジャンルもあると思う。ライブコマースのような動的に提案できるサービスが問題解決の一助になるのではないか。食品であれば動画を見ながら新しい料理にチャレンジしたり、化粧品なら出演者からアドバイスをもらうなど、双方向でやり取りをしながら商品への理解を深めたり、フィットネス関連なら仲間と励ましあいながらダイエットに取り組んだり、単に『モノを買う』だけではなく、問題解決のためのソリューションが求められているし、ビジネスとしても伸びていくのではないか。今年は5G元年でもあるし、ライブコマースに関しては強い意思を持って盛り上げていきたい」
――出店店舗向けサポートについては今期どの部分を強化するのか。
「顧客分析周りを強化したい。分析ツールの提供だけではなく、分析した内容に基づいたクーポンやポイント施策など、店舗が使える武器を高度化していきたい」
――今後のモールとしてのプロモーション戦略は。
「auPAYのプロモーションと一体となって展開していく。KDDIグループには大きなメディアやサイトがたくさんあるので、グループを挙げてauPAYマーケットを知ってもらい、よりお得に使ってもらうための提案もしていく」(おわり)
◇
――携帯キャリアがネット販売に力を入れる中で、ポイントによる囲い込みも進んでいる。その中でKDDIの強みとは。
「『お得なポイント交換所』におけるポイント50%増量キャンペーンは、非常に特徴的な施策だと思う。また『auスマートパスプレミアム(スマパスプレミアム)』のようなサブスクリプションサービスに、経済圏を挙げて注力しているというのは、他社のポイント経済圏と比べてもかなりユニークなアプローチではないか。また、スマートフォンアプリにも磨きをかけており、当社ならではのこだわりを持って改善していきたい」
――昨年から、KDDIとエブリーが共同運営しているライブコマースサービス「ライブTV」を提供している。コロナ禍で視聴者が増えているのでは。
「視聴者数は右肩上がりで伸びている。1月には、瀬戸内地方で活動するアイドルグループ『STU48』のメンバーがゲスト出演する特別番組を放送したが、若年層の来訪につながる効果があった。今期もプロモーションやブランディングの観点から仕掛けていきたい。また、アイドル関連でいえば、3月からアイドルグループ『乃木坂46』をモールの看板娘として起用しており、幅広い層にモールを知ってもらい、買い物をしてもらうという流れが生まれている」
――新型コロナウイルスの感染が拡大してから、モールではどんな商品が売れているのか。
「週を追うごとにめまぐるしく売れ筋商品が変わっているが、総じていえばマスクや消毒液などの衛生商品は非常に売れている。もう一つは、実店舗に行きづらい状況ということで、米や肉などの食品も好調だ。また、ゲームやボードゲームなどの娯楽関連商品も大きく伸びているし、『コロナ太り』を解消するためのダイエット関連や美容関連も動いている」
――コロナ禍を踏まえての店舗への支援策は。
「コロナ禍からの復興を応援する『復袋』コーナーを作るといった支援は行っている。今後はコロナにより暮らしの形そのものが変わる部分があると思っているので、そういったことを踏まえた企画も店舗と相談しながら作っている最中だ」
――緊急事態宣言解除後の消費動向は。
「5月25日頃からアウトドア関連商品や、レジャー用品が動き始めている。今後は『おうち』と近場での観光やレジャーの『郊外』をかけ合わせた需要が伸びていくのではないかと思っている。また食品のように、これまでネットで買ったことがなかったジャンルの商品を試してみた、というユーザーの母数は増えていると思う。これは一過性の需要ではなく、リピート購入につながっていくのではないか」
――アフターコロナをどうみる。
「リアルにおけるビジネスの形がかなり変わるだろう。全面的にネット販売に置き換わることはないだろうが、オンラインとオフラインの区分なくサービスを使い分けてもらう、という手法が伸びていくのではないか。ネットで提案してから店舗で実物を見てもらったり、最初は店舗で購入してもらい、2回目以降はネットで注文してもらったり、O2OやOMOと呼ばれる領域は間違いなく伸びてくるだろう。こうした提案やトライアルも足元で少しずつ増えている」
「ただ、コロナを踏まえると店舗での提案が難しくなっているジャンルもあると思う。ライブコマースのような動的に提案できるサービスが問題解決の一助になるのではないか。食品であれば動画を見ながら新しい料理にチャレンジしたり、化粧品なら出演者からアドバイスをもらうなど、双方向でやり取りをしながら商品への理解を深めたり、フィットネス関連なら仲間と励ましあいながらダイエットに取り組んだり、単に『モノを買う』だけではなく、問題解決のためのソリューションが求められているし、ビジネスとしても伸びていくのではないか。今年は5G元年でもあるし、ライブコマースに関しては強い意思を持って盛り上げていきたい」
――出店店舗向けサポートについては今期どの部分を強化するのか。
「顧客分析周りを強化したい。分析ツールの提供だけではなく、分析した内容に基づいたクーポンやポイント施策など、店舗が使える武器を高度化していきたい」
――今後のモールとしてのプロモーション戦略は。
「auPAYのプロモーションと一体となって展開していく。KDDIグループには大きなメディアやサイトがたくさんあるので、グループを挙げてauPAYマーケットを知ってもらい、よりお得に使ってもらうための提案もしていく」(おわり)