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消費者庁 特商法・預託法を討議、規制や法執行の強化見据え

2020年 3月 2日 13:30

 消費者庁は2月18日、「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」の第1回会合を開催した。悪質な販売預託商法の被害発生や経済のデジタル化・国際化によるデジタル・プラットフォームの台頭に伴う電子商取引・越境取引が活発化する状況下、両法の規定が時代に合ったものとなっているかなどを討議するもので、初回の今回は各委員が意見を述べ、預託販売商法に対する参入規制やプロットフォーム事業者の責任と役割の明確化を要請する声とともに、広く網をかける規制強化はすべきでないとの意見があがった。検討会は今夏をめどに一定の結論を得る。

 検討会は委員長を元消費者委員会委員長の河上正二青山学院大学法務研究科教授が務め、大学教授、日本通信販売協会など事業者団体、消費者関連団体など14人の委員で構成。またオブザーバーとして国民生活センターの松本恒雄理事長ほか経済産業省・警察庁・金融庁の担当者らが加わった。

 会合では初めに消費者庁から消費者の脆弱性を狙った悪質商法への対策強化と経済のデジタル化・国際化に対応したルールの整備に向けた検討の方向性が示された。販売預託商法など悪質商法の対策では(1)実効性のある対策(2)消費者の脆弱性を狙った悪質商法への奉仕一行の強化・迅速化(3)被害者救済の抜本的強化を論点として掲げ、また特商法のルール整備では通販の形態の変化やプラットフォーム事業者を信用して消費者が取引を行っていることから責任の所在などを挙げた。

 これらの方向性や論点などに対し、各委員が意見を述べ消費者サイドの委員は概ね販売預託商法の参入規制や被害救済の実効性を求めた。これに対し事業者側は、悪質事業者を排除することが大前提であるといったことや参入規制など監督するために要するコストのことなども加味した議論が必要といった意見があった。

 なおデジタル・プロットフォームに関しては、消費者庁が開いている「デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会」との連携を行っていくとしている。
 
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