家具や日用品などのネット販売を手がけるベガコーポレーションでは、今上半期(4月~9月)において利益改善に向けたてこ入れが大きく進んでいる。旗艦店(自社通販サイト)の売り上げ比率を拡大できたほか、物流の効率化なども図れたことで、前期末の赤字から黒字転換を果たしている。
「モール店よりも旗艦店は価格弾力性が低い。そこまで値段に細かい顧客ばかりではないところが特徴」(浮城社長)とする同社では、粗利率の高い旗艦店へのシフトを進めることをかねてから会社方針の一つに掲げていた。
実際に今上半期の販路別の売上高状況を見ると、「楽天市場店」が前年同期比1・3%増、「アマゾン店」が18・7%増、「ヤフーショッピング店」が同3・9%減となったのに対して、旗艦店は同43%増と大きく伸長。結果的に上半期の旗艦店比率は同6・3ポイント増の30・3%増となり、デイリーの売り上げで見ても旗艦店比率が50%、60%を超える場合もあるという。四半期売上高でも10億円を突破するなど、シフトは順調に進んでいる。
背景には、一時抑制していた旗艦店のウェブ広告を6月下旬ごろから再開したことがあり、結果的にアクセス数が同27・4%増と急伸。また、並行してウェブ上で体験型の新機能を導入したことも奏功したようで、8月末にはVR(バーチャル・リアリティ)ヘッドセットにも対応した自社開発の「LOWYA360」(
画像)を公開。ARモデルにより購入前の商品イメージを、360度見渡すことができる3D空間上で表現できるというもので、ネットでの家具購入のハードルを下げることにもつながっている。「我々は通販企業なので、ネットで見る際の顧客体験には重きを置いてきた」(浮城社長)とし、今後は同コンテンツ上でAIが自動でコーディネート提案を行う機能なども追加していく考え。
また、物流の効率化も利益改善に大きな効果があった。上半期では引き続き、在庫量の適正化をはじめ、梱包サイズの刷新、サイズごとに配送会社の見直しなどを実施。結果的に前年同期と比べ、倉庫保管スペースでは約1万6000平方メートルを削減、在庫金額では5億5000万円を削減、臨時倉庫などの解約により倉庫間輸送費を約3300万円削減、発注基準を見直したことで商品の入出庫にかかる物流外注費を約3900万円削減することができた。今後はWMSも本格導入して保管効率を更に向上させることも計画している。
消費増税前後で影響も
なお、消費増税の影響について9月は想定以上の駆け込み需要が発生しており、月間受注額としては過去最高を記録。一方で、増税後の10月については1日より反動減を受けており、その後、週ごとに段階的に売り上げが戻ってきている状況だという。
また、同社の場合、5%還元の対象店舗となっていないことから、特に仮想モールにおいては対象店舗との差が浮き彫りとなってしまうため、「モールの方が影響が出てしまうかもしれない。旗艦店の方が戦いやすいとは思う」(同)と説明。引き続き、旗艦店を強化する動機の一つになっていることも伺えた。
そのほか、「ヤフーショッピング」から移転した「PayPayモール」の立ち上がりについても言及。「ヤフーさん側が盛り上げてくれている関係で、マーケット自体はポイントも含めて非常に盛況だと見ている」(手島武雄専務)とした上で、現状では値引販売商品が売れ筋となっており、大型還元企画の効果もあって他モールからの顧客も流れてきていると分析。現状では「これが施策としていつまで続くのかなとは思う」(同)と慎重な見方を示しており、元々、同社でヤフー店の販売比率が低かったことに加え、値引販売にあまり頼った戦略ではないこともあり、今の時点では業績への影響はそこまで大きくはならないと見ている。
「モール店よりも旗艦店は価格弾力性が低い。そこまで値段に細かい顧客ばかりではないところが特徴」(浮城社長)とする同社では、粗利率の高い旗艦店へのシフトを進めることをかねてから会社方針の一つに掲げていた。
実際に今上半期の販路別の売上高状況を見ると、「楽天市場店」が前年同期比1・3%増、「アマゾン店」が18・7%増、「ヤフーショッピング店」が同3・9%減となったのに対して、旗艦店は同43%増と大きく伸長。結果的に上半期の旗艦店比率は同6・3ポイント増の30・3%増となり、デイリーの売り上げで見ても旗艦店比率が50%、60%を超える場合もあるという。四半期売上高でも10億円を突破するなど、シフトは順調に進んでいる。
背景には、一時抑制していた旗艦店のウェブ広告を6月下旬ごろから再開したことがあり、結果的にアクセス数が同27・4%増と急伸。また、並行してウェブ上で体験型の新機能を導入したことも奏功したようで、8月末にはVR(バーチャル・リアリティ)ヘッドセットにも対応した自社開発の「LOWYA360」(画像)を公開。ARモデルにより購入前の商品イメージを、360度見渡すことができる3D空間上で表現できるというもので、ネットでの家具購入のハードルを下げることにもつながっている。「我々は通販企業なので、ネットで見る際の顧客体験には重きを置いてきた」(浮城社長)とし、今後は同コンテンツ上でAIが自動でコーディネート提案を行う機能なども追加していく考え。
また、物流の効率化も利益改善に大きな効果があった。上半期では引き続き、在庫量の適正化をはじめ、梱包サイズの刷新、サイズごとに配送会社の見直しなどを実施。結果的に前年同期と比べ、倉庫保管スペースでは約1万6000平方メートルを削減、在庫金額では5億5000万円を削減、臨時倉庫などの解約により倉庫間輸送費を約3300万円削減、発注基準を見直したことで商品の入出庫にかかる物流外注費を約3900万円削減することができた。今後はWMSも本格導入して保管効率を更に向上させることも計画している。
消費増税前後で影響も
なお、消費増税の影響について9月は想定以上の駆け込み需要が発生しており、月間受注額としては過去最高を記録。一方で、増税後の10月については1日より反動減を受けており、その後、週ごとに段階的に売り上げが戻ってきている状況だという。
また、同社の場合、5%還元の対象店舗となっていないことから、特に仮想モールにおいては対象店舗との差が浮き彫りとなってしまうため、「モールの方が影響が出てしまうかもしれない。旗艦店の方が戦いやすいとは思う」(同)と説明。引き続き、旗艦店を強化する動機の一つになっていることも伺えた。
そのほか、「ヤフーショッピング」から移転した「PayPayモール」の立ち上がりについても言及。「ヤフーさん側が盛り上げてくれている関係で、マーケット自体はポイントも含めて非常に盛況だと見ている」(手島武雄専務)とした上で、現状では値引販売商品が売れ筋となっており、大型還元企画の効果もあって他モールからの顧客も流れてきていると分析。現状では「これが施策としていつまで続くのかなとは思う」(同)と慎重な見方を示しており、元々、同社でヤフー店の販売比率が低かったことに加え、値引販売にあまり頼った戦略ではないこともあり、今の時点では業績への影響はそこまで大きくはならないと見ている。