前回に引き続き、ZOZOテクノロジーズの久保田竜弥社長にファッションコーデアプリ「WEAR(ウェア)」の成長戦略などについて聞いた。
――日本では「ウェア」のUIをどんなタイミングで変えてきたのか。
「サービス規模のフェーズごとにUIを変えてきた。100万ダウンロードまではこのUI、500万ダウンロードまではこれ、1000万ダウンロードまではこれというようなものは当初から考えていた。フェーズを立ち上げ期、成長期、安定期の3段階に分け、微調整はあるが予定通りUIに反映させている」
――立ち上げ期は。
「ユーザー投稿を促すきっかけ作りとして、日替わりでドレスコードのようなものを提案する『ピックアップタブ』を毎日表示し、テーマに沿ったコーデを投稿してもらった。いいコーデは手動でピックしてトップ画面に出していた。投稿者のモチベーションにもつながるため、立ち上げ期は人が介在してコーデの良さを認めるという演出が必要だった」
――手動は大変だ。
「人が見て選ぶため、100万~200万ダウンロードが限界だ。次のフェーズではピックアップタグをやめ、タイムライン化してお気に入りの人を見つけて追いかけられるようにした」
――安定期のUIは。
「日本版では『見つける』という検索機能に機械学習を使って、ユーザーごとにおすすめコーデを表示する。ただ、ここにきてもう一度、編集されたものをユーザーが求め始めているため、フォルダ機能を設置し、例えば『シンプル白Tでつくる大人カジュアル』などのテーマでくくったコーデを表示している」
――他のユーザーの投稿を見るだけという利用者が多い。
「投稿するユーザーは数%で、大半のユーザーはコーデのお手本を見るために利用している。そのため、メニューに投稿ボタンを設置しておらず、見る人に最適なUIにしている。フッター部分は左から順番にユーザーが成長できるように設計している。一番左の『ランキング』で何が流行っているのかを確認してもらい、次の『見つける』で気になったユーザーを探してもらい、気になるユーザーがいたらフォローして『タイムライン』で追いかけてもらう。最終的に『マイページ』から自分のコーデ画像を投稿してもらう流れを作っている」
――投稿画像の質も保つことができる。
「あまりライトに投稿できるようにして質が落ちることは避けたい。投稿するユーザーの割合を増やすというよりは、質の高い投稿を増やすことに重点を置いている」
――「ウェア」のUIは世界共通か。
「国ごとに違う。日本は安定フェーズに入っているが、米国はいまもピックアップタグをつけている。恐らく中国に本格進出するときもピックアップタグをメインにしたUIになるだろう」
――課題は。
「『ウェア』はファッションデータベースを作る目的で始めたため、投稿者に商品のタグ付けをしてもらっているが、それが手間になる。画像認識技術を使うことで、コーデで使用している商品のカテゴリーや色などを認識してくれて、最終的に機械の判断を投稿者が確認する形にしたい」
――「ゾゾタウン」への貢献度は。
「『ウェア』を経由した『ゾゾタウン』の売り上げは年々伸びており、月間30~40億円に上る。ブランドさんの自社ECに飛ばすこともあるが、開かれたプラットフォームを目指しているため手数料はもらっていない。ただ、現状は圧倒的に『ゾゾタウン』に飛んでいる割合が多い」
――インスタの通販連携の影響は。
「元々、コンテクスチュアルコマースの流れがくるだろうと想定していた。ユーザーが『ウェア』のコンテンツに触れる場所はどこでもよく、外部メディアが記事を書くときのネタとして使ってもらえるように、投稿されたコンテンツを積極的に提供してきた。『ウェア』でファッションを楽しむ人が増えれば、結果的に『ゾゾタウン』の売り上げに貢献できる」
――900万枚のコーデ画像を蓄積している。
「ファッションの流行は循環するのでサイクルが一周したときに『ウェア』の価値はさらに高まる。ストック型のSNSのため、ファッションの辞書になる」(おわり)
――日本では「ウェア」のUIをどんなタイミングで変えてきたのか。
「サービス規模のフェーズごとにUIを変えてきた。100万ダウンロードまではこのUI、500万ダウンロードまではこれ、1000万ダウンロードまではこれというようなものは当初から考えていた。フェーズを立ち上げ期、成長期、安定期の3段階に分け、微調整はあるが予定通りUIに反映させている」
――立ち上げ期は。
「ユーザー投稿を促すきっかけ作りとして、日替わりでドレスコードのようなものを提案する『ピックアップタブ』を毎日表示し、テーマに沿ったコーデを投稿してもらった。いいコーデは手動でピックしてトップ画面に出していた。投稿者のモチベーションにもつながるため、立ち上げ期は人が介在してコーデの良さを認めるという演出が必要だった」
――手動は大変だ。
「人が見て選ぶため、100万~200万ダウンロードが限界だ。次のフェーズではピックアップタグをやめ、タイムライン化してお気に入りの人を見つけて追いかけられるようにした」
――安定期のUIは。
「日本版では『見つける』という検索機能に機械学習を使って、ユーザーごとにおすすめコーデを表示する。ただ、ここにきてもう一度、編集されたものをユーザーが求め始めているため、フォルダ機能を設置し、例えば『シンプル白Tでつくる大人カジュアル』などのテーマでくくったコーデを表示している」
――他のユーザーの投稿を見るだけという利用者が多い。
「投稿するユーザーは数%で、大半のユーザーはコーデのお手本を見るために利用している。そのため、メニューに投稿ボタンを設置しておらず、見る人に最適なUIにしている。フッター部分は左から順番にユーザーが成長できるように設計している。一番左の『ランキング』で何が流行っているのかを確認してもらい、次の『見つける』で気になったユーザーを探してもらい、気になるユーザーがいたらフォローして『タイムライン』で追いかけてもらう。最終的に『マイページ』から自分のコーデ画像を投稿してもらう流れを作っている」
――投稿画像の質も保つことができる。
「あまりライトに投稿できるようにして質が落ちることは避けたい。投稿するユーザーの割合を増やすというよりは、質の高い投稿を増やすことに重点を置いている」
――「ウェア」のUIは世界共通か。
「国ごとに違う。日本は安定フェーズに入っているが、米国はいまもピックアップタグをつけている。恐らく中国に本格進出するときもピックアップタグをメインにしたUIになるだろう」
――課題は。
「『ウェア』はファッションデータベースを作る目的で始めたため、投稿者に商品のタグ付けをしてもらっているが、それが手間になる。画像認識技術を使うことで、コーデで使用している商品のカテゴリーや色などを認識してくれて、最終的に機械の判断を投稿者が確認する形にしたい」
――「ゾゾタウン」への貢献度は。
「『ウェア』を経由した『ゾゾタウン』の売り上げは年々伸びており、月間30~40億円に上る。ブランドさんの自社ECに飛ばすこともあるが、開かれたプラットフォームを目指しているため手数料はもらっていない。ただ、現状は圧倒的に『ゾゾタウン』に飛んでいる割合が多い」
――インスタの通販連携の影響は。
「元々、コンテクスチュアルコマースの流れがくるだろうと想定していた。ユーザーが『ウェア』のコンテンツに触れる場所はどこでもよく、外部メディアが記事を書くときのネタとして使ってもらえるように、投稿されたコンテンツを積極的に提供してきた。『ウェア』でファッションを楽しむ人が増えれば、結果的に『ゾゾタウン』の売り上げに貢献できる」
――900万枚のコーデ画像を蓄積している。
「ファッションの流行は循環するのでサイクルが一周したときに『ウェア』の価値はさらに高まる。ストック型のSNSのため、ファッションの辞書になる」(おわり)