ゾゾ子会社のZOZOテクノロジーズは、運営するファッションコーディネートアプリ「WEAR(ウェア)」がファッション好きなユーザーに浸透している。足もとのダウンロード数は1300万件、コーデ投稿数は900万件以上となり、月間利用者数も1000万ユーザー、月間PV数は5億PVに拡大している。今期は中国での本格展開を見据えており、「『ゾゾタウン』の中国再進出には『ウェア』の存在が欠かせない」と語る同社の久保田竜弥社長(=
写真)に成長戦略などを聞いた。
――改めて、「ウェア」の成り立ちは。
「『ウェア』はファッションデータベースを作ろうとして始めた。ファッション業界の場合、例えば靴ブランドのA社が作った商品を直営店以外にもB社やC社に卸している場合、各社で別々のバーコードが発行されてしまい、同じ商品が同一商品として認識されないことが起こっている。また、その商品を使ったコーディネート画像についても、A社のサイトではA社で買った人のコーデ画像しか見られない状況があり、そうした非効率を解消したかった」
――商品マスターはひとつであるべきと。
「その通りだ。世の中に流通しているファッション商材のデータを統一してマスターデータを作り、商品を売っている人、欲しがっている人、着ている人、二次流通に出そうとしている人が誰かを把握してSNS上でつなげるということをやりたかった。ファッションデータベースを作る上で足りないデータがコーデ情報だったため、それを集める手段としてアプリを出したのが始まりだ」
――バーコードスキャン機能もあった。
「最初のメイン機能はバーコードスキャン機能だった。例えばA社の店舗で商品バーコードを読み取ると、A社だけでなくB社やC社のサイトにあるコーデ画像もその場で確認でき、購入を後押しできればと考えていたが、B社や通販サイトにユーザーが流れるかもしれないというリスクの方に意識が向かい、『バーコードスキャンはだめ』となってしまった」
――現状はコーデ情報を集める部分に特化している。
「ファッションデータベースの構築をあきらめたわけではないが、今はコーデアプリとしてユーザーに受け入れられることを目指している。当初は『全身を撮って投稿する人なんていない』と言われたが、5年が経過して商品にコーデ画像がついているのは当たり前の状況になっているし、コーデ画像から購入するというユーザー行動もある程度、浸透してきたと感じている」
――当時は自撮り文化もなかった。
「前澤とは、素材(服)を売っているのに料理の仕方が分からないのはアパレルだけという話をしていた。自撮り文化というよりも、商品とともにコーデのサンプルがあるべきという発想だった」
――全身コーデを撮ってもらう流れをどう作ったのか。
「それは明確に戦略を立てていて、『ゾゾタウン』出店ブランドのショップスタッフさんを巻き込んでお手本となる写真をたくさん集めた。『ウェア』をローンチする前から『ゾゾタウン』のトップにショップスタッフさんの全身コーデ画像を掲載し、1万枚くらいの投稿画像が貯まった状態で『ウェア』をスタートした。そのため、初めてアプリをダウンロードしたユーザーも投稿するときはこういう風に全身コーデを撮ればいいと思ってもらえた」
――海外も一緒か。
「基本的には同じだ。その国のファッションをけん引している人たちが誰かを調べて声をかけ、何かしらのインセンティブでお手本となるコーデを投稿してもらい、お手本が集まった時点でプロモーションをかける」
――「ゾゾタウン」で再進出を計画する中国については。
「中国の若者はこの5年くらいで服にかけるお金が大きく増えている。服が欲しいけれど何を買ったらいいか分からないという人が多く、お手本のコーデを求めている。『ゾゾタウン』の再進出に向けてもコーデから買ってもらう流れを作った方がうまくいくのではないか。その際、現地のKOLや日本のファッションリーダーなど、誰を立てるかも含めて検討している。いずれにせよ、ファッションを通じて日中交流ができるようにしたい。お互いの国のコーデ投稿に対して『いいね』をし合えるような状態を作りたい」
――すでにアプリはダウンロードできる。
「中国でも『ウェア』アプリのダウンロード数は約200万件程度ある。中国では、『ゾゾタウン』のように商品が並んでいる自販機型のモールでは誰も買わなくて、そこに商品を紹介する人がいないと売れない。そのためにも着こなしで差をつけられる『ウェア』が必要になる。6年前に『ゾゾタウン』が中国進出したときに『ウェア』はなかったが、今は『ウェア』が武器になる」(つづく)
――改めて、「ウェア」の成り立ちは。
「『ウェア』はファッションデータベースを作ろうとして始めた。ファッション業界の場合、例えば靴ブランドのA社が作った商品を直営店以外にもB社やC社に卸している場合、各社で別々のバーコードが発行されてしまい、同じ商品が同一商品として認識されないことが起こっている。また、その商品を使ったコーディネート画像についても、A社のサイトではA社で買った人のコーデ画像しか見られない状況があり、そうした非効率を解消したかった」
――商品マスターはひとつであるべきと。
「その通りだ。世の中に流通しているファッション商材のデータを統一してマスターデータを作り、商品を売っている人、欲しがっている人、着ている人、二次流通に出そうとしている人が誰かを把握してSNS上でつなげるということをやりたかった。ファッションデータベースを作る上で足りないデータがコーデ情報だったため、それを集める手段としてアプリを出したのが始まりだ」
――バーコードスキャン機能もあった。
「最初のメイン機能はバーコードスキャン機能だった。例えばA社の店舗で商品バーコードを読み取ると、A社だけでなくB社やC社のサイトにあるコーデ画像もその場で確認でき、購入を後押しできればと考えていたが、B社や通販サイトにユーザーが流れるかもしれないというリスクの方に意識が向かい、『バーコードスキャンはだめ』となってしまった」
――現状はコーデ情報を集める部分に特化している。
「ファッションデータベースの構築をあきらめたわけではないが、今はコーデアプリとしてユーザーに受け入れられることを目指している。当初は『全身を撮って投稿する人なんていない』と言われたが、5年が経過して商品にコーデ画像がついているのは当たり前の状況になっているし、コーデ画像から購入するというユーザー行動もある程度、浸透してきたと感じている」
――当時は自撮り文化もなかった。
「前澤とは、素材(服)を売っているのに料理の仕方が分からないのはアパレルだけという話をしていた。自撮り文化というよりも、商品とともにコーデのサンプルがあるべきという発想だった」
――全身コーデを撮ってもらう流れをどう作ったのか。
「それは明確に戦略を立てていて、『ゾゾタウン』出店ブランドのショップスタッフさんを巻き込んでお手本となる写真をたくさん集めた。『ウェア』をローンチする前から『ゾゾタウン』のトップにショップスタッフさんの全身コーデ画像を掲載し、1万枚くらいの投稿画像が貯まった状態で『ウェア』をスタートした。そのため、初めてアプリをダウンロードしたユーザーも投稿するときはこういう風に全身コーデを撮ればいいと思ってもらえた」
――海外も一緒か。
「基本的には同じだ。その国のファッションをけん引している人たちが誰かを調べて声をかけ、何かしらのインセンティブでお手本となるコーデを投稿してもらい、お手本が集まった時点でプロモーションをかける」
――「ゾゾタウン」で再進出を計画する中国については。
「中国の若者はこの5年くらいで服にかけるお金が大きく増えている。服が欲しいけれど何を買ったらいいか分からないという人が多く、お手本のコーデを求めている。『ゾゾタウン』の再進出に向けてもコーデから買ってもらう流れを作った方がうまくいくのではないか。その際、現地のKOLや日本のファッションリーダーなど、誰を立てるかも含めて検討している。いずれにせよ、ファッションを通じて日中交流ができるようにしたい。お互いの国のコーデ投稿に対して『いいね』をし合えるような状態を作りたい」
――すでにアプリはダウンロードできる。
「中国でも『ウェア』アプリのダウンロード数は約200万件程度ある。中国では、『ゾゾタウン』のように商品が並んでいる自販機型のモールでは誰も買わなくて、そこに商品を紹介する人がいないと売れない。そのためにも着こなしで差をつけられる『ウェア』が必要になる。6年前に『ゾゾタウン』が中国進出したときに『ウェア』はなかったが、今は『ウェア』が武器になる」(つづく)