前号、前々号に続き、auコマース&ライフの八津川博史社長(=
写真)に今後の戦略などを聞いた。
――楽天との協業もスタートした。
「楽天が楽天市場出店者の物流業務を請け負う『楽天スーパーロジスティクス』を活用したワウマ加盟店向けプランの提供を開始した。さらに、インアゴーラと提携した中国向け越境ECに関して、初期費用・固定費無料で提供する。また、新たなサービスとしてオンラインサロン『ワウマサロン』を設ける。店舗育成だけではなく、店舗からの要望や要請を引き上げて、サービスや販促に反映させていく。新商品の企画など、店舗と一緒に仕掛けていくところまで踏み込む計画だ」
――楽天との物流連携に関しては、楽天市場にも出店している店舗のみが対象となる。
「それ以外の店舗については、楽天と相談しながら進めていく。また、料金については、サードパーティーの複数店舗管理ツールの利用料が安くなるような仕組みとなる」
――2年前から月額費の無料キャンペーンを続けてきたが、2019年度の出店料は。
「無料キャンペーンを終了し、4月以降は基本料である月額4800円をもらうようにしている。これまでは間口を広げる戦略だったが、今後はユーザーとのエンゲージメントを高めるためにも、質感を重視する形に変えた。ただ、料金を取るようになったからといって、退店が相次いだり、出店ペースが鈍ったりということはない。auのベストコマース宣言もしたので、出店料を上回るリターンをもたらしたいと思う」
――毎月開催されるセール「還元祭」でクーポンを配布しているが、最近はクーポンが利用できる店舗をワウマ側で絞っているようだ。
「キャンペーンの立て付けの見直しは適宜行っている。通常時でもポイントを増量していることもあり、どの店でもセール時にクーポンが使えるという形では、事業として難しい部分も出てくる」
――au IDのオープン化に伴い、現在ワウマで使われているau IDとキャリアフリーの「Wow! ID」を6月下旬以降に統合する。
「ポイントに関しても、auユーザー向けのウォレットポイントと、キャリアフリーの『Wow! スーパーポイント』があるわけだが、後者については6月下旬以降に『ウォレットポイント(ワウマ限定)』へ変更する」
――例えば楽天であれば、「楽天スーパーポイント」が使える店を大幅に増やしている。au経済圏もその方向に進むか。
「au PAYの拡大に伴い、その部分も増えていくだろうが、『出口としてのワウマ』がより重要になると思う。外で使ってもらうことは経済圏の拡大として重要なことだが、経済圏の中で消費してもらうことも大事。出口としてのワウマをいかに知ってもらうか、そして使い続けてもらうためのベネフィットをいかに作れるかがカギになる。auそのものがオープン化するという大きな戦略転換があったわけで、コト系も含めたコマース領域がワウマに統合された。ワウマの重要度は高まっている」
――au PAYが始まったが、連携策は。
「まだ担当部署と相談中だが、出口としてのワウマを知ってもらうためにはキャンペーン設計は必要だと思っている」
――auショップとの連携に成果は出ているのか。
「規模的な観点でいえば、新たなユーザーの増加ペースは飛躍的に上がっている。質的にいうと、ネット販売のリテラシーがあまり高くないユーザーが多いので、客層が拡大している。きちんと『おもてなし』をすることで、リピート率ではポジティブな指数が出ており、よりユーザーを大事にして使い続けてもらうためのサービス・プロダクトを磨き上げなければいけないと思っている」
――auユーザーへの認知を高めるため、どんな施策を展開するのか。
「店頭での取り組みが第一。また、金融関連のユーザーや、有料の優待プログラム『スマートパス』のユーザーなど、auではさまざまなセグメントにユーザーがついているので、セグメントごとにどんなキャンペーンやサービスを提供していくかが大事になってくるだろう」(おわり)
――楽天との協業もスタートした。
「楽天が楽天市場出店者の物流業務を請け負う『楽天スーパーロジスティクス』を活用したワウマ加盟店向けプランの提供を開始した。さらに、インアゴーラと提携した中国向け越境ECに関して、初期費用・固定費無料で提供する。また、新たなサービスとしてオンラインサロン『ワウマサロン』を設ける。店舗育成だけではなく、店舗からの要望や要請を引き上げて、サービスや販促に反映させていく。新商品の企画など、店舗と一緒に仕掛けていくところまで踏み込む計画だ」
――楽天との物流連携に関しては、楽天市場にも出店している店舗のみが対象となる。
「それ以外の店舗については、楽天と相談しながら進めていく。また、料金については、サードパーティーの複数店舗管理ツールの利用料が安くなるような仕組みとなる」
――2年前から月額費の無料キャンペーンを続けてきたが、2019年度の出店料は。
「無料キャンペーンを終了し、4月以降は基本料である月額4800円をもらうようにしている。これまでは間口を広げる戦略だったが、今後はユーザーとのエンゲージメントを高めるためにも、質感を重視する形に変えた。ただ、料金を取るようになったからといって、退店が相次いだり、出店ペースが鈍ったりということはない。auのベストコマース宣言もしたので、出店料を上回るリターンをもたらしたいと思う」
――毎月開催されるセール「還元祭」でクーポンを配布しているが、最近はクーポンが利用できる店舗をワウマ側で絞っているようだ。
「キャンペーンの立て付けの見直しは適宜行っている。通常時でもポイントを増量していることもあり、どの店でもセール時にクーポンが使えるという形では、事業として難しい部分も出てくる」
――au IDのオープン化に伴い、現在ワウマで使われているau IDとキャリアフリーの「Wow! ID」を6月下旬以降に統合する。
「ポイントに関しても、auユーザー向けのウォレットポイントと、キャリアフリーの『Wow! スーパーポイント』があるわけだが、後者については6月下旬以降に『ウォレットポイント(ワウマ限定)』へ変更する」
――例えば楽天であれば、「楽天スーパーポイント」が使える店を大幅に増やしている。au経済圏もその方向に進むか。
「au PAYの拡大に伴い、その部分も増えていくだろうが、『出口としてのワウマ』がより重要になると思う。外で使ってもらうことは経済圏の拡大として重要なことだが、経済圏の中で消費してもらうことも大事。出口としてのワウマをいかに知ってもらうか、そして使い続けてもらうためのベネフィットをいかに作れるかがカギになる。auそのものがオープン化するという大きな戦略転換があったわけで、コト系も含めたコマース領域がワウマに統合された。ワウマの重要度は高まっている」
――au PAYが始まったが、連携策は。
「まだ担当部署と相談中だが、出口としてのワウマを知ってもらうためにはキャンペーン設計は必要だと思っている」
――auショップとの連携に成果は出ているのか。
「規模的な観点でいえば、新たなユーザーの増加ペースは飛躍的に上がっている。質的にいうと、ネット販売のリテラシーがあまり高くないユーザーが多いので、客層が拡大している。きちんと『おもてなし』をすることで、リピート率ではポジティブな指数が出ており、よりユーザーを大事にして使い続けてもらうためのサービス・プロダクトを磨き上げなければいけないと思っている」
――auユーザーへの認知を高めるため、どんな施策を展開するのか。
「店頭での取り組みが第一。また、金融関連のユーザーや、有料の優待プログラム『スマートパス』のユーザーなど、auではさまざまなセグメントにユーザーがついているので、セグメントごとにどんなキャンペーンやサービスを提供していくかが大事になってくるだろう」(おわり)