三越伊勢丹HD デジタル戦略を加速、撮影スタジオ開設しECの品ぞろえ拡充、ポイント制度導入も
2019年 5月20日 13:00
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三越伊勢丹HDでは現在、百貨店店頭で取り扱いのある商品のEC掲載率は約2割にとどまっていることから、同社運営の駐車場「パークシティイセタン1」(新宿)の1~2階を改修し、写真撮影とささげ業務を行う専用スタジオ「デジタルベース」を開設。4月1日から稼働を始め、今秋にも200人~300人のスタッフを配置してフル稼働を目指す。
まずは、約3000万SKUの取り扱いがある伊勢丹新宿店の品ぞろえのデータベース化を急ぎ、消費者がオンラインストアで来店前にチェックしたり、購入できるようにするほか、地域店でもEC掲載情報を活用して接客し、基幹店の商品を取り寄せできるようにしていくという。
また、今期(2020年3月期)中に自社通販サイトの利用者を対象としたポイントプログラムを開始するのに加え、将来的にはグループのクレジットカード「MIカード」との統合を計画。ECと実店舗の併用客を増やすとともに、顧客の固定化につなげる。
同社ではオンラインの新ビジネスについても、前期から今期にかけて相次いでスタートしている。昨年7月に始めた食料品のオンライン定期宅配サービス「イセタンドア」はデイリーユースの品ぞろえに加え、伊勢丹新宿店の売り出しに連動した特集などが好評という。KPIである会員数と顧客1人当たりの購買単価はともに当初目標を上回っており、5月末には会員数1万人を突破する見通しで、今後は食品以外にも領域を広げる考え。
今年2月に始動した化粧品専用通販サイト「ミーコ」はビジュアルイメージから商品を検索できたり、商品の発売日と予約開始日が分かるカレンダー機能、メークシミュレーション機能が支持されているという。取り扱いブランドは約200で、今後は百貨店コスメだけでなく、店頭にはないバラエティーコスメも展開して日本最大級のコスメECを目指す。
今期は、チャットでカウンセリングを行ってユーザーに合ったファッション商材を届け、自宅で試着してもらって気に入らない商品は返品してもらうパーソナルスタイリングサービス「ドローブ」を立ち上げるのに加え、紳士向けのカスタムオーダーサイトやパーソナルギフトのサイトもスタートする予定だ。
同社では、さまざまなECサービスを「点ではなく面で展開していく」(杉江俊彦社長)とし、子育て中の女性などをターゲットに複数サービスを利用してもらえるようにするという。