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【安野清社長に聞く ベルーナの成長戦略③】 化粧品200億円・健食100億円へ、店舗はスポーツやメンズ強化

2018年 7月26日 13:52

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 前号に続き、ベルーナの安野清社長(=写真)に今後の戦略などを聞いた。

 ――現地にあったビジネスを海外で展開する事業を「ミニベルーナ」と位置づけている。

 「米ロスアンゼルスやモンゴル、マレーシアのクアラルンプール、ミャンマーのヤンゴンなどで不動産のプロパティ事業を手がけているが、やはりコストをかけるだけではなく、従業員も派遣しなければいけない。お金だけ出して現地のパートナーに任せるのではなく、人もつぎ込む必要がある。海外に送り込む人材を作ってノウハウを貯めなければいけいない。スリランカやモルジブではリゾートホテルを開業する予定だが、今後は外食関係も絡めていきたい。台湾でいうなら、化粧品でいくのか、健康食品でいくのか、看護師向け通販でいくのか、それともプロパティ事業でいくのかを検討する」

 「台湾をはじめ、スリランカのコロンボやロスアンゼルス、タイ、ベトナムなど、年に3カ所くらいミニベルーナを作り、いずれは世界中にミニベルーナを広げていく。将来的には日本だけに頼らない形にしていきたい」

 ――健康食品のリフレは近年、売り上げが伸び悩んでいる。

 「踊り場が続いている。課題は客単価のアップだ。3000~5000円の商材を販売していきたい。脚のむくみを軽減する機能性表示食品『脚きゅっと!』などを強化している。商品力も含めて、競合に遅れを取った部分もあるので、見直しを図っている」

 ――具体的には。

 「本当の意味で顧客志向になっていなかった部分があるのではないか。例えば、青汁はかなり以前から扱っているのに伸びていない。商品の見直しやマーケティングを見直していく」

 ――単品通販はどれくらいの規模まで拡大すると考えているか。

 「売上高はオージオで200億円、リフレで100億円を目指す。目標に向けてどう事業を進めていくか。今後策定する、2020年3月期からの3カ年計画では達成したい」

 ――店舗販売事業では、アパレル店舗でコスト構造の見直しを図るため、店舗の整理を進めた。

 「既存店ベースで10%強の営業利益率を達成した。物流費と人件費が改善されたことが大きい。これを継続すれば経費と新規店舗の費用がカバーできる。今後はスポーツ系やメンズ系を強化して、店舗面積を増やしても収益が確保できるモデルを構築する」

 ――M&Aも進めている。

 「呉服専門店のさが美グループホールディングスを買収した。チャンスがあれば他にも買収を進めて呉服業界でダントツの存在になりたい。通販関連では、ネット販売企業や単品通販企業で面白い案件があれば買いたい」

 ――来期からは新たな3カ年計画が始まる。

 「売上高3000億円、営業利益300億円をイメージして、達成するにはどうしたらいいかを考えながら事業プランを作る。そのためには、本業の総合通販事業はもちろん、全体的に強化育成していく」

 「今後、総合通販事業で稼ぐ営業利益が全社の営業利益に占める割合は減ってくるはずだ。柱を何本も作る『ポートフォリオ経営』を推し進める。その一環として、着物関連の買収を行ったり、不動産関連のプロパティ事業を手がけたりしている」

 ――運賃値上げが続いているが、根本的な解決策はあるか。

 「顧客への転嫁しかないと思う。ただ、当社だけではなく、競合も同じように運賃が上がるのであれば、それはそれでいいと思っている。デフレマインドが続いているので、マクロ的には運賃値上げは悪いことではない。ミクロな視点では当社の収益悪化につながるが、各社一律で上がってくれればいい。あとは顧客が慣れてくれるのを待ちたい」(おわり)


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